こんにちは!守谷市古谷歯科医院 古谷 容です。
おかみさんに火打ち石で送り出してもらった与太郎さんは、その後どうなったのでしょうか?無事に先生の所へ行けたでしょうか?
「火打ち石はね〜よな、ったく、心配症だぜうちのかみさんも・・・」
・・・なんてブツブツ言っているうちにとうとう先生のところに着いてしまいました。
「ちわ〜」
「あっ与太郎さんですね、お待ちしていました」
「デデデ、デンタルドックなんですが・・・」
「そうですね、どうぞお入り下さい」
というわけで、ついに与太郎さんはまな板の鯉になったのでした(笑)。
「では始めていいですか?その前にデンタルドックについてちょっとお話しますね」
「へい」
「デンタルドックは3回かけてやりますよ」
「へ〜、3回もかかるんですか」
「与太郎さん、3回もかかるんじゃなくて、かけるんですよ」
「ほ〜、じゃあよっぽど詳しくやるんですね?」
「そうですよ、一回目はね、与太郎さんの情報を集めます」
「なんです、そのジョーホーってのは?」
「それはですね、与太郎さんのお口の中の様子を知りたいってことなんです」
「じゃあなにをどうやるってんですかい?」
「先ず歯の写真を撮ります。レントゲンも撮ります。あと歯ぐき。歯周病の検査ですね。最後にとっても大切な噛みあわせも調べさせて下さいね」
「それじゃあ今日は大変じゃね〜ですか」
「いえいえそんなことはないですよ」
「えっ?」
「与太郎さんはただお口を開けていればいいんですから・・・(笑)」
「は〜」
「で、二回目は“共同審査”というのをやります」
「なんですかその共同なんとかっていうのは?」
「今日集めた与太郎さんの情報、歯の写真とかレントゲン写真とかがね、今はデジタルですからこの画面に簡単に乗るんです。それを見ながら問題点があれば二人で見つけていくという時間なんです。これはパンキー先生が考えだしたやり方で、患者さんが自分のお口に対する理解を深めるために必要不可欠なのです」
「へ〜、そりゃあ凄いですね。あっしは自分の口がどうなってるのか正直いってよく分かってないんです、実際。なんか、ここの歯が無くなってるとか、ここの歯が欠けて滲みるとか、ここから変な匂いがするとか・・・」
「そうでしょう、皆さんそうなんです。だって患者さんですから」
「えっ!みんなそうなんですか?あっしだけじゃないんですか?」
「そうですよ、だからデンタルドックが必要なんです。自分のお口を第三者の目で見ることが必要なんです(客観的にね)」
「ほ〜〜(いいこと言うね、この人は、納得かも)」
「どうです、いい感じでしょ?」
「確かに・・・、じゃあ三回目は何をするんです?」
「三回目はね、与太郎さんのデータを元にして、先ずは現状を改善して、快適に食事ができ快調に笑って暮らせるためにどうしたら良いかを考えますよ」
「へ〜そりゃぁ、ありがたいこってす」
「それだけじゃないですよ」
「えっまだあるんですか?」
「今回の治療で、ゲット出来た健康なお口を、生涯維持できるためにどうしたら良いかも提案します」
「ゲット、、、(ポケモンじゃね〜し)」
「それに、この歯はこういう治療、この歯はこうすると云った具体的な方針もお話します。最終的にはこうなりますよ、と云った将来の青写真も提案しますよ」
「へ〜、そこまで面倒見てくれるんですか・・・(安心かも)ところで青写真ってなんです?」
「与太郎さんだって仕事で使ってるじゃないですか。図面のことですよ、設計図のことですよ」
「へ〜、設計図ですか、そう云や、今までの治療は行き当たりばったりで将来のことなんか全然話にも出ませんでしたよ」
「そうですね、でもそれが普通なんですよ。今の日本じゃね。じゃあ始めましょうか」
ってなわけで、先生は与太郎さんのお口の隅から隅まで詳しく調べたのでした。
「やっぱり“成人後期”なのかな〜、トホホ」
解説
患者さんという立場の人は、自分の口に関してはいわゆる“主観的”な情報しか持ち合わせていません。
与太郎さんが言っていたようにです。
その“主観的”ないわゆる“感じ”を第三者の目で見ることによって、より具体的で“客観的”な“現状”として認識していただく。
そして将来の健康的な生活、「歯のことで悩んだり嫌な思いをしなくてもすむ生活が、チョット頑張れば手に入れることができるんだ」と思っていただく。安心していただく。
デンタルドックはこんな目的もあるのです。調べるだけじゃないんですね。
いかがですか、あなたも与太郎さんを見習って“デンタルドック”受けてみませんか?
なんか、うまくいくような気になってきたでしょう(笑)。
では、この続きは又の機会に。