えっ、プリベンション、なにそれ?その7

 

こんにちは! 守谷市古谷歯科医院 古谷 容(いるる)です。

 

ついに虫歯の原因は“むし歯菌”と知ってしまった与太郎さん。

 

「ってことは何ですかい、先生!あっしの口ん中には、なんですか、その“

むし歯菌“ていう、バイキンがいるってことですかい?(カタカナで云うとバイキンマンって感じだぜ)」

 

「そうなりますね」

 

「えっ、・・・・あっしの口ん中にばい菌??」

 

「どうしたんですか?」

 

「どうしたんですか、と言われましても、その〜(信じられないぜ、実際)」

 

「信じたくない気持ちはわかりますが、本当のことなんですよ、これは」

 

「・・・・」

 

「いいですか与太郎さん、人はね、ばい菌だらけなんですよ。ほらこの私の顔とか腕とかの皮膚にもね、ばい菌はいっぱいいるんです。お腹の中にもですよ、それに口の中にもです」

 

「・・・・」

 

「常に存在する菌、つまり、難しい言葉で云うとね、“常在菌”っていうんですよ」

 

「じょ〜ざいきん・・・?」

 

「そうです、さっき言った皮膚にはね、“皮膚常在菌”おなかには“腸内常在菌”そしてお口の中には、“口腔内常在菌”ってばい菌が居るんです。しかも山のように満載してるんですよ」

 

「そんなんじゃ汚くてしょうがね〜じゃね〜ですか、先生!これからひとっ風呂浴びて、そうそう三助のトメによ〜く流してもらってきますよ、先生、一緒に行きませんか?」

 

「何を言ってるんですか、それに朝行ってきたんでしょ?」

 

「そんなこと言ったって、あっしの身体にばい菌がうようよいるって聞くと、もう気持ち悪くて気持ち悪くて・・・(抗菌グッズ買いに行こ)」

 

「いいですか与太郎さん、あなたがよしえさんのお腹の中にいた頃はばい菌なんてそりゃあ一匹もいませんでしたよ。でもね、ヨイショ!ってね、この世に出てきてからは、それはそれはたくさんのばい菌と一緒に生きてるんですよ、28年もね。みんなそうなんですよ、誰でもです。それにあなたの大好きな架純ちゃんもばい菌だらけなんですよ」

 

「えっ、あの架純ちゃんにもばい菌が?(絶句、まさか)」

 

「これをね、難しい言葉で云うと、“共生”って云うんです。一緒に生きているってことなんですね、助け合ってるんですよ」

 

「きょ〜せ〜、ですかい?でもあっしはばい菌なんかに助けてもらってる覚えはありませんぜ、実際(何云ってんだかこの人は、大丈夫か?)」

 

 

とかなんとか云いながら、自分を合理化しようとしていますね。聞いたことのないような話の連続で、少々疲れ気味の与太郎さんでした。

 

今日はこのへんで、あおとがよろしいようで(笑)。

 

注)本稿での“ばい菌”は一般用語であり、生物学的には“菌”“細菌”あるいは“微生物”である。また“よしえさん”は与太郎さんの母上である。以上、蛇足でした。また架純ちゃんとは、あの有村架純ちゃんだかなんだか、ご想像にお任せいたします。架純ちゃん、ゴメン!(笑)。