えっ、プリベンション、なにそれ?その9

えっ、プリベンション、なにそれ?その9

 

こんにちは!守谷市古谷歯科医院 古谷 容(いるる)です。

 

「え〜い、もったいぶらないで早く教えてくださいよ!」

 

こぶしを握ってガバッと立ち上がった与太郎さん。結果“一物”が大家さんの鼻先に・・・。

 

 

「止めて下さい、与太郎さん、汚いもの目の前に出さないで下さい!」

 

「あっすいません、失礼しました。でも汚いものはないですよ、大家さん(よ〜く洗ったからきれいだし)」

 

「そうですか、でも汚いものは汚いものです。自分ではそう思っていなくてもね、よそ様から見たら汚く感じるってこともあるんですよ。まっ座りなさんな」

 

「・・・・(せっきょう??)」

 

 

なにやら大家さんはひとこと言いたいことがあるみたいです(笑)。

 

 

「一昨日の晩の事ですよ、憶えてますか?」

 

「へい、豆腐屋のサダと一杯やってましたけど・・・それがなにか」

 

「それがなにかじゃないですよ、まったく!どこで呑んでたんです?」

 

「最初は飯田屋。どぜうで一杯やりました。駒形にしようか飯田屋にしようか迷ったんですけど、やっぱり飯田屋にしました。いや、うまいのなんのって、酒は進むし、たまんないっすね、どぜう、ごぼうがね・・・」

 

「なにがごぼうです、そこで終わったわけじゃないでしょ?最後はどこだったんです?」

 

「え〜と、それがですね、よく憶えてないんですよ。情けないことに。昨日サダに会ったんで聞いてみたんですが、サダも覚えてないって・・・」

 

「ほ〜らごらんなさい、こういうことなんです、私が言ってるのは。いいですか、私のほうがよっぽど知ってますよ。サダは豆腐屋ですから、朝が早いんで、帰るって何回も言ってたのに、お前さんはそんなことには耳も貸さず、夜中中引っ張り回し、もうネタがないっていう寿司勝でゴネて大暴れだったそうじゃないですか」

 

「・・・・」

 

「みねちゃんも泣いてましたよ。正体がなくなったお前さんを寿司勝の親父とおかみさんで送ってきてくれたんですからね。平謝りでしたって、みねちゃん」

 

「・・・・」

 

「こういうことなんですよ、いいですか、自分ではいいと思ってやっていることでもね、世間から見たら、目を覆いたくなる、ということもあるんです、一昨日のお前さんのことですよ、どうです?」

 

「・・・分かりました分かりましたよ大家さん、もう勘弁して下さい。これからみんなに謝ってきますから、よ〜く分かりました、以後気を付けますから」

 

「一番は誰に謝るんです?」

 

「そりゃあ寿司勝のおやじと・・・」

 

「違います、みねちゃんでしょ?一番は」

 

「・・・だから今朝機嫌が悪かったんだ・・・」

 

「まったく幸せなお人ですよ、あなたは・・・」

 

「・・・とと、ところで大家さん。ためんなるお話の途中で失礼なんですけど、今の話とばい菌の話はなんかつながりはあるんですかい?(関係ないんじゃ?)」

 

「・・・・」

 

 

あれあれ?なにかちょっと話がずれてきちゃったようですよ。何を言ってるんでしょう?大家さんも熱い湯に長いこと浸かってたので、頭がぼ〜っとしてきちゃったんですね。それでいつもの説教口調に・・・。

 

 

「ままっ、大家さん大家さん、よ〜く分かりました。顔真っ赤ですよ。ちょっと上がりませんか?お〜い、トメ!!」

 

「うるさいな、手を離しなさい、トメ、大丈夫ですよ、離しなさいって!!」

 

「分かりました、はいはい」

 

「何がはいはいです、年寄り扱いしないで下さい!」

 

 

というわけで風呂から上がった二人です。

 

今日はこのへんで、おあとがよろしいようで(笑)。

 

 

 

えっ、プリベンション、なにそれ?その8

こんにちは! 守谷市古谷歯科医院 古谷 容(いるる)です。

 

口の中は言うに及ばず、身体中ばい菌だらけと先生から聞かされた与太郎さん、「やっぱ、先生、ひとっ風呂浴びてきます、じゃあまた〜」と飛び出していったのでした。

 

「あっ与太郎さん、まだ話が・・・」

 

 

「ったく、身体中ばい菌だらけなんてちょっと信じられないぜ、まして架純ちゃんもだなんて、云うにことかいて・・・(失礼な)」

 

 

なんてブツブツ云いながら歩いていると、いつの間にか松の湯の前。ちょうど玄関前を掃除中の三助のトメが、

 

「あれ与太郎さん、朝浴びたじゃね〜ですか。なんです、朝浴びて昼もだなんて、豪勢じゃね〜ですか、でも、なんかあったんすか、暗い顔して・・・」

 

「豪勢でも何でもね〜し、なんにもね〜よ、うるせ〜な」

 

「おっ、ご機嫌斜めですか(笑)」

 

「うるせ〜っつの」

 

「あっそういや〜、大家さん入ってますよ、ついさっきです」

 

「えっホントかい?ちょうどいいや、大家さんに話し聞いてもらおうかな」

 

 

大急ぎで着物を脱ぐと、

 

 

「ちわ〜、ご無沙汰しています、大家さん、お元気そうで何よりです」

 

「お元気そうで何よりって、なんです気持ちの悪い、どうしたんです、何かあったんですね、その顔は」

 

「・・・・」

 

「図星ですね、話してみなさいよ、誰も居ないんですから(大丈夫かねこの風呂屋は)」

 

「いえね、大家さん、実はさっき先生ンとこへ行ってきたんですよ」

 

「ほ〜、それで?」

 

「・・・、あっしはばい菌だらけって言われたんです」

 

「あはは、ばい菌の話しですか。そうですか、その話は私も聞きしましたよ。ためになる話だったでしょ?でも、それがどうしたんです?」

 

「あっしはそりゃあ汚ね〜からいいにしても、架純ちゃんもだって云うから帰〜ってきたんです(プイッとね、ケツまくっちゃうよ)」

 

「えっ架純ちゃん??なんですそれは?」

 

「まっ、いいっすよこの話は・・・(ご老体には関係ないし)」

 

「そうですか。でも、それって、むし歯菌の話ですね?」

 

「そうです。むし歯の原因はあんころ餅やおはぎじゃないって、先生そう言ってました(日本酒も違うって・・・)」

 

「いいじゃないですか、あ〜たのむし歯の原因が分かったんですから」

 

「でも身体中ばい菌だらけって・・・」

 

「やっぱりね、実は私もそう言われてびっくりしましてね、いろいろと調べたんですよ」

 

「えっ、そうだったんですかい、大家さんもビックリしたんですね」

 

「そりゃあそうですよ。それでね、分かったんです」

 

「え〜い、もったいぶらないで早く教えてくださいよ!」

 

 

というわけで、二人とも顔が真赤になってきましたので、今日はこのへんで。

 

おあとがよろしいようで(笑)。

 

えっ、プリベンション、なにそれ?その7

 

こんにちは! 守谷市古谷歯科医院 古谷 容(いるる)です。

 

ついに虫歯の原因は“むし歯菌”と知ってしまった与太郎さん。

 

「ってことは何ですかい、先生!あっしの口ん中には、なんですか、その“

むし歯菌“ていう、バイキンがいるってことですかい?(カタカナで云うとバイキンマンって感じだぜ)」

 

「そうなりますね」

 

「えっ、・・・・あっしの口ん中にばい菌??」

 

「どうしたんですか?」

 

「どうしたんですか、と言われましても、その〜(信じられないぜ、実際)」

 

「信じたくない気持ちはわかりますが、本当のことなんですよ、これは」

 

「・・・・」

 

「いいですか与太郎さん、人はね、ばい菌だらけなんですよ。ほらこの私の顔とか腕とかの皮膚にもね、ばい菌はいっぱいいるんです。お腹の中にもですよ、それに口の中にもです」

 

「・・・・」

 

「常に存在する菌、つまり、難しい言葉で云うとね、“常在菌”っていうんですよ」

 

「じょ〜ざいきん・・・?」

 

「そうです、さっき言った皮膚にはね、“皮膚常在菌”おなかには“腸内常在菌”そしてお口の中には、“口腔内常在菌”ってばい菌が居るんです。しかも山のように満載してるんですよ」

 

「そんなんじゃ汚くてしょうがね〜じゃね〜ですか、先生!これからひとっ風呂浴びて、そうそう三助のトメによ〜く流してもらってきますよ、先生、一緒に行きませんか?」

 

「何を言ってるんですか、それに朝行ってきたんでしょ?」

 

「そんなこと言ったって、あっしの身体にばい菌がうようよいるって聞くと、もう気持ち悪くて気持ち悪くて・・・(抗菌グッズ買いに行こ)」

 

「いいですか与太郎さん、あなたがよしえさんのお腹の中にいた頃はばい菌なんてそりゃあ一匹もいませんでしたよ。でもね、ヨイショ!ってね、この世に出てきてからは、それはそれはたくさんのばい菌と一緒に生きてるんですよ、28年もね。みんなそうなんですよ、誰でもです。それにあなたの大好きな架純ちゃんもばい菌だらけなんですよ」

 

「えっ、あの架純ちゃんにもばい菌が?(絶句、まさか)」

 

「これをね、難しい言葉で云うと、“共生”って云うんです。一緒に生きているってことなんですね、助け合ってるんですよ」

 

「きょ〜せ〜、ですかい?でもあっしはばい菌なんかに助けてもらってる覚えはありませんぜ、実際(何云ってんだかこの人は、大丈夫か?)」

 

 

とかなんとか云いながら、自分を合理化しようとしていますね。聞いたことのないような話の連続で、少々疲れ気味の与太郎さんでした。

 

今日はこのへんで、あおとがよろしいようで(笑)。

 

注)本稿での“ばい菌”は一般用語であり、生物学的には“菌”“細菌”あるいは“微生物”である。また“よしえさん”は与太郎さんの母上である。以上、蛇足でした。また架純ちゃんとは、あの有村架純ちゃんだかなんだか、ご想像にお任せいたします。架純ちゃん、ゴメン!(笑)。

 

えっ、プリベンション、なにそれ?その6

こんにちは!守谷市古谷歯科医院 古谷 容(いるる)です。

 

 

「じゃあ与太郎さん、むし歯の原因は、あんころもちやおはぎですか?」

 

とたたみ込まれた与太郎さん、さすがにちょっと、ムッとしているみたいですよ(笑)。

 

 

「・・・・、ちょっと待って下さいよ、先生」

 

「なんです?」

 

「確かにおかしいすっね、インフルエンザや結核はウイルスや菌、最近流行りのエイズもウイルス、こんなの常識だし・・・平昌で流行りのノロもウイルスだし・・・」

 

「ほ〜」

 

「何でむし歯はあんころもち・・・・(変だなこれは・・・)」

 

 

さすがの与太郎さんも“ちょっとおかしいんじゃない”って気付いてきたみたいですね。

 

 

「先生!むし歯もウイルスやら菌やらってのがいるんですかい?いや、そうにチゲ〜ね〜。先生!そうなんでしょ?あんころもちじゃあね〜んですよね?」

 

「・・・・ほ〜」

 

「ほ〜じゃね〜ですよ、どうなんです、先生!どうなんです?サア〜、サア〜、サアサアサアサア〜〜!」

 

「♪〜知らざあ言って聞かせやしょう、浜の真砂と五右衛門が、歌に残せし盗人の〜〜」

 

「先生、ちょっと待って下さいよ、先生!白波五人男じゃあね〜んですから」

 

「おっと、そうでした、お前さんがサアサア〜なんて云うもんですから、つい調子に乗ってしまって・・・(今はまってるもんで歌舞伎・・・)」

 

「浜松屋ですかい、先生?頼みますよ、仕事中ですよ、仕事中!」

 

「アハハハ、私としたことが、申し訳ありませんでした、与太郎さん、ところで何の話でしたっけ?」

 

「・・・・。なんの話じゃねあ〜ですよ、あんころもちやウイルスの話ですよ」

 

「そうでしたね、そうでした」

 

「そうでしたって先生、大丈夫ですかい?それでなんなんです、その〜、むし歯の原因ってやつは?まさか“むし歯菌”なんてことはね〜ですよね、まさかね、あはは〜」

 

「・・・・(汗)」

 

「えっ、なんですこの沈黙。そのまさかなんですかい?」

 

「ピンポ〜ン、正解です!凄いですね、与太郎さん!その通りですよ!」

 

「やっぱりそうですかい、そうじゃね〜かなって思ってたんですよ。実際あんころ餅ってのはやっぱり変ですよね、ど〜考えてみても(笑)」

 

 

と、まあこんな塩梅で、むし歯の原因は“むし歯菌”と知った与太郎さんでした。

これからどうなりますやら。

 

本日もおあとがよろしいようで(笑)。

えっ、プリベンション、なにそれ?その5

こんにちは! 守谷市 古谷歯科医院 古谷 容です。

なにやら少しむずかしい話になってきたようですよ。与太郎さん、大丈夫でしょうか?

 

「ところで与太郎さん、インフルエンザの原因ってなんだか知ってますか?」

 

「なんですか先生、藪から棒に。知ってますよ、テレビでも新聞でもうるさいくらいやってますからね。ウイルスです。A とかBとかあるんでしょ?」

 

「ほ〜、正解です!凄いですね」

 

「・・・・」

 

「じゃあ、結核と云う病気、聞いたことありますよね。これの原因は?」

 

「菌です。結核菌(きっぱり)」

 

「・・・・、正解、凄いですね与太郎さん」

 

 

このように体の病気については、与太郎さんを含め皆さんよくご存知です。また血圧の正常値や血糖値、肝臓のデータや尿酸値、中性脂肪等々。病院でもらった“短冊”の自分の検査結果と正常値を見比べて「あ〜でもない、こ〜でもない」と一喜一憂しているのをよく見かけます。

 

みなさん、いかがですか?(勿論私もその一人ではありますが・・・笑)。

 

 

「それでは与太郎さん、むし歯の原因は?」

 

「そりゃあ、あれですよ、あれ・・・」

 

「あれってなんです?」

 

「甘いもんです、昔死んだ婆さんがね、よくくれたんです、あんころ餅とかおはぎとか。まあこれが旨いのなんのって、婆さんこれ自分で作るんですよ。そんであっしが好きなの知ってるんで、のべつ作ちゃ〜くれるんです。食べな、とか言って。嬉しそうな目〜してね。そんで夜なんかそのまま寝ちゃうもんだからひとたまりもないですよね」

 

「ほ〜」

 

「そんで、大人になってからは、ほら、先生もご存知のように、酒呑んじゃあ大暴れで、そのまま寝ちゃうし・・・歯の掃除、ですかい?そんなもん適当ですよ。やったりやらなかったりで・・・(盆と正月くらいかな)」

 

「そうですか、与太郎さんは両刀なんですね」

 

「なんです、その両刀ってのは」

 

「甘いものも好きでお酒も大好きって人のことですよ」

 

「確かにそうですね。甘いものには目がないんですよ。それに酒も。そんでこの間、町の検診で血液検査したんですよ」

 

「ほ〜それでどうでした、結果は」

 

「そこなんですよ、血糖値がちょっとヤバイことが分かったんです。空腹時と食後血糖値ってのがあって・・・それにヘモグロビンなんとかってのもあるんですかい?あっしの場合やっぱり糖尿の気が・・・インスリン・・・膵臓、ランゲルハンス島・・・それに酒飲みだから肝臓のGPT、GOTが・・・」

 

「まあそれはいいんです。それにしてもよく知ってますね、与太郎さん」

 

「そりゃあそうですよ、身体の事ですから必死ですよ」

 

「で、むし歯の原因はなんでしたっけ?」

 

「だから、先生、何度も言わせないでくださいよ、甘いもんとてきと〜な歯ブラシです!チョコも好きだしケーキもクッキーも、日本酒も(これも砂糖か・・・)」

 

「じゃあインフルエンザは?結核は?エイズは?」

 

「くどいな〜先生も、ウイルスや菌です」

 

「じゃあむし歯は?あんころもちやおはぎですか(笑)」

 

「・・・・」

 

 

ってな感じで今日も長くなってしましましたので、このへんで。

おあとがよろしいようで(笑)。

 

与太郎さん、がんばれ〜〜〜!!

えっ、プリベンション、なにそれ?その4

こんにちは! 守谷市 古谷歯科医院 古谷 容です。

 

何回も“むし歯は立派な病気!”と知らされた与太郎さん。頭の中はいわゆる大混乱ってところでしょうか(笑)。

 

 

「ところで与太郎さん、むし歯はどうしてできると思いますか?」

 

「どうしてって先生、そんなの当たり前じゃないですか」

 

「どんなふうに当たり前なんです?」

 

「そりゃ、あれですよ、め〜にも云いやしたが、婆さんから聞いた話じゃ、あれでしょ?」

 

「なにがあれなんです?」

 

「年行きゃぁ誰だって歯はぼろぼろになるって、あれですよ」

 

「そうでしたそうでした、そう言ってましたね」

 

「年取りゃあ、歯は抜けるし目は見えなくなるし、耳だって遠くなるってあれデスよ」

 

「じゃあ与太郎さんはまだそれを信じているんですね?それじゃあ諦めるしかないですね(笑)。これからどんどん年齢が上がっていくに従って、ますますひどい事になっていくんでしょう?与太郎さんはまだ若いので、幾つでしたっけ、えっ28ですか、まあ80過ぎくらいまで生きるとして、そうですね、あと50年位は苦しみ続けるわけですか。大変ですね。これから随分と長いこと苦しむんですね(笑)」

 

「・・・・よしてくださいよ、先生も意地悪ですね(医療人の風上にもおけね〜ぜ)」

 

「そうなってからでもいいし、そうならないように今のうちに予め手を打つこともできますけど、どうします?」

 

「どうしますって、そうならないようになりたいから、ここに居るんじゃないですか」

 

「あっそうでしたね、すみませんでした。じゃあ話をもどしましょうか」

 

「早く先へ行きましょうよ、じゃぁむし歯は何でできるんです?」

 

「知りたいですか?」

 

「知りたいっす。お願いします!!」

 

 

解説

ここで質問です。

 

「先生はどうしてむし歯の成り立ちや原因、つまりどうしてできるのかに固執するのでしょう?」

 

答えは「彼を知り己を知れば百戦殆うからず」と云う孫子の教えです。

 

むし歯の“原因と機序”、つまり何が原因でどのようにしてできるのかを知れば、治療に役立つし、治療を受けた歯が良い状態で長持ちするし、何より“予防”ができ新しい虫歯ができない、と云う良いことずくめになるからです。つまり与太郎さんがこれから受けようとしている、プリベンション・プログラムが彼のこれからのにとってどれだけ大切で、おそらく彼の人生を大きく変えるくらいのインパクトを持っているものと信じています。そして与太郎さんが学んだことは、目には見えない無形の“財産”となり、”一生の宝”となることでしょう。

 

本日はこの辺で、おあとがよろしいようで(笑)。

えっ、プリベンション、なにそれ?その3

 

こんにちは! 守谷市 古谷歯科医院古谷 容です。

新年明けまして、おめでとうございます!と云っても、もう少しで2月になっちゃいますが・・・。みなさんお変わりなくお過ごしのこととお慶び申し上げます。

というわけで、本年も当ブログと古谷歯科医院をよろしくお願い致します!!

 

さあなにやら、“むし歯は立派な病気”と言われた与太郎さん。むし歯を病気とは思っていなかった彼、頭の中どんな塩梅になっているんでしょう(笑)。

 

 

「えっ、あれですか。えっ?ひょっとしたらむし歯ですかい、先生。でもむし歯は病気なんですか??(止めてくださいよ、冗談でしょ?)」

 

「何言ってるんですか、与太郎さん、むし歯は立派な病気なんですよ!!」

 

「・・・・」

 

「知らなかったんですね?」

 

「でもお言葉ですが先生、むし歯で死んだ人いるんですかい?」

 

「そんなこと言ったら与太郎さん、口内炎で人は死にますか?」

 

「・・・聞いたことありませんね。痛くておまんまが上手くいただけないなんて云うことくらいですかね」

 

「でしょう?そうなんですよ、何も死なないから病気じゃないなんて、ちょっとおかしな話ですよね」

 

「確かにそうっすね、風邪も病気だけれどそうそう死にやしませんからね」

 

「でも立派な病気でしょ?」

 

「じゃあ先生、むし歯は本当に立派な病気なんですね?」

 

「そのようですね(笑)」

 

「するって〜と、あっしの口は病気だらけってことじゃないですか、先生?」

 

「そういうことになりますね(くどいねこの人は何回も・・・)」

 

「・・・・・・」

 

「おまけに歯ぐきからも出血がありましたのでこちらも病気ですよ、立派なね」

 

「立派な歯周病ですかい?・・・」

 

と、先生の話にぐうの音も出ない与太郎さんでした。

 

「ところで先生」

 

「なんです?」

 

「実は大家さんのことなんですが、この間飲んだ時にね、“私の歯も昔はたいそう悪かったんですよ”なんてこと言ってましたけれど、本当なんですかい?」

 

「患者さんのことを詳しくは話せませんが、与太郎さんだったらいいでしょう。そうですね、あなたほどではないですけれど、悪かったですよ、確かに」

 

「でででも今はピカピカですよね?あっしも大家さんみて〜にきれいになれますよね?」

 

「なれますよ、安心していて下さい、与太郎さん。でもね・・・」

 

「へい」

 

「これからやろうとしているこの・・・」

 

「プリベンション・プログラムがで〜じだってことですね?」

 

「・・・・・・」

 

 

解説

そうなんです。むし歯は立派な病気なんですね。二回も続けて“むし歯は病気!”って繰り返しました。それほど大切なことと私は思っています。

 

なぜでしょう?

 

それは“むし歯は生活習慣病”と言われているからなのです。

 

そうですね、“生活習慣病”といえば、皆さんよくご存知の糖尿病や高血圧などが直ぐ頭に浮かぶと思います。いかがですか?

 

そして最近、この中にむし歯や歯周病が含まれるようになったのです。ご存知でしたか?

 

しかし“生活習慣病”も一昔前は、“成人病”などと言われていたのです。これは覚えていらっしゃる方も多いのではないでしょうか。でも成人病だとむし歯は含まれませんね。何故かと言うとむし歯は子供や若い方もかかるからですね。当たり前ですね。

 

でも、“生活習慣病”の中に入れてもらえたお陰で、とても良いことがありました。

 

なんでしょうか?それは・・・、

 

とまあ、ここまで書いたところで、またまた長くなってしまい、お叱りを受けることになりますので、今日はこのへんにしましょう。

では、おあとがよろしいようで(笑)。

 

えっ、プリベンション、なにそれ?その2

こんにちは!守谷市 古谷歯科医院 古谷 容です。

 

二日酔いのフラフラ頭を押して、やっとの思いで先生の所へたどり着いた与太郎さん。まずはプリベンション・プログラムで怖くはないと知りちょっと安心したようですね。さあ、これから実際に始まるようですよ、どんなことになるのでしょう、楽しみですね(笑)。

 

 

「じゃあ始めますか」

 

「よろしくお願いします。これから始まるのは“国家百年の計”みて〜なことなんでしょ?先生」

 

「“国家百年の計”とは言い得て妙ですね。まったくその通りですよ、与太郎さん。これも大家さんの受け売りですか?」

 

「違いますよ、今朝の新聞で見たんですよ。何でも近々“ご維新”ってものがあるっていうじゃないですか。それがね、先生、この国のこの先百年先のことまで関わる大問題だからしっかりと考えてやらなくてはならね〜って、社説に書いてあったんですよ」

 

「そうですね、それこそ異人たちにこの国が占領されてしまったら、それはそれは大変なことになりますからね」

 

「そうなんですよ、こちとらかか〜と気楽に暮らせなくなったら大変なことになっちゃいやすからね(大家さんはもう年だからどうでもいいけど・・・)」

 

 

とまあ、いつの時代の話なんだか・・・、それにしても、大恩人の大家さんに対してずいぶんとひどいことを思っている与太郎さんですね(笑)。

 

 

「そうですよ、これは与太郎さんの将来にとってまさに“国家百年の計”みたいなことなんですね、それほど大切なことなんですよ」

 

「よ〜く分かりました。心して頑張りますのでよろしくお願いします!!」

 

 

・・・とまぁ〜いつになく真剣な与太郎さんです。しかし、自分のこととなるとどなたでも目の色が変わるものですが・・・

 

 

「でははじめに、質問です。どなたにでもしている質問ですよ」

 

「へい・・・」

 

「与太郎さんはお口の中の“病気”ってどんなものがあるか知ってますか?」

 

「えっ、口の中の病気ですか?え〜と、口内炎、歯槽膿漏、歯周病?あとなんですかね、他に何かありましたっけ・・・へんと〜せん?・・・」

 

「ははは~、やっぱりそうですか」

 

「何がやっぱりなんですか、先生。あっしはシロートなんですからね、そんなこと知らなくても当たり前じゃないですか、ったく(いきなり質問なんて・・・)」

 

「いやいやごめんなさい。やっぱりというのはね・・・」

 

 

と、なにやら意味深な先生ですね。

 

 

「与太郎さんが今とっても苦しんでいる“あれ”ですよ、あれ、あれです」

 

「えっ、あっしが苦しめられている“あれ”ですか?」

 

「・・・・・」

 

「まさか、むし歯ですかい?(そんなことね〜でしょ?)」

 

「ピンポ〜ン(笑)」

 

「えっ、先生、むし歯って、びょ〜きなんですか??(マジ?)」

 

「病気ですよ、病気です。立派な病気ですよ」

 

「・・・・・(知らなかったぜ・・・)ってことは先生、あっしの口の中は病気だらけってことですかい?」

 

「ピンポ〜ン(笑)」

 

「先生、からかっちゃいけませんよ、からかっちゃ〜(汗)」

 

 

そうなんです、むし歯は立派な病気なんです。みなさんご存知でしたか?私がどうしてこんな質問をするのかといいますと、この質問、つまり「むし歯は病気」と答えられない方が6〜7割はいらっしゃるからなんです。

 

いかがですか?あなたは「むし歯は病気!!」って言えるでしょうか(笑)。

 

 

では今回はこのへんで。おあとがよろしいようで(笑)。

えっ、プリベンション、なにそれ??

こんにちは!守谷市 古谷歯科医院、古谷 容です。

 

今日は待ちに待った(?)診療開始の日です。果たして与太郎さんはどんな心持ちなのでしょうか。興味ありますね。でもなにやら朝から揉めているようですよ、大丈夫かな与太郎さん、乞うご期待です(笑)。

 

 

「なんだいお前さん、ったくあれほど“今夜はやめときな”って言ったのに、こんなになるまで飲んじゃって、しようがないね〜、ホントいやんなっちゃうよ、まったく、いつもいつもこんな調子で大丈夫かねこの人は、歯の治療なんてできるのかしらね」

 

「うるせ〜な〜、静かにしてくれよ朝から、頭痛て〜んだよ」

 

「何言ってんだろうねこの人は、本当に情けないよ、昔はこんなんじゃなかったのにね、どうなっちゃったんだろうね〜、まったく」

 

「うるせ〜って言ってんだろ(イテッ)」

 

と取り付くシマもない与太郎さんです。大家さんのありがたいお話の後しばらくはおとなしくしていたのですが、日が経つにつれ、やっぱり不安がよぎるようになってきたのです。まったく仕様が無い与太郎さんですね(笑)。

 

「そんなこと言ったってあんた、忘れちゃったの、今日は先生ンとこ行くんでしょ?夕べそう言ってたじゃないですか。朝一だって云うから起こしてんのに・・・」

 

「朝一じゃね〜よ、昼一だよ」

 

 

ここんところはきちんと計算しているようですね(笑)。

 

 

「これから松の湯行ってひとっ風呂浴びてゆっくりして、それから行くんだよ」

 

「また怖くなってんじゃないのかい、お前さん」

 

 

と皮肉たっぷりの目で見られて、ますます機嫌が悪くなり、そそくさと出かけていくのでした。

 

 

「お前さんお足おあし、それに手ぬぐい!!」

 

 

なにからなにまで一人じゃできない与太郎さんでした(笑)。

 

 

「ちわ〜・・・」

 

「あっ与太郎さん、こんにちは!」

 

「・・・・」

 

「どうしたんですか与太郎さん。顔色が良くないですよ、また二日酔いですか」

 

「・・・・(図星だぜ)」

 

「大丈夫ですよ、今日は怖くないですよ(にこっ)」

 

「ホントですか、でもなんでです?」

 

「今日はプリベンションの一回目ですから」

 

「プリ??あっ、プリプリですかい?そーですね、プリプリといや〜“ダイヤモンド”もいいけどアッシはやっぱり“M”かな?でも“パパ”もいいっすよね、グッとくるし・・・(娘いないけど)」

 

「なに言ってんですか与太郎さん、違いますよ、プリンセスプリンセスのことじゃなくて、プリベンションですよプリベンション!プリベンション・プログラムのことです」

 

「じゃあなんです、そのプリベンションなにやらってのは?」

 

「予防のことです。与太郎さんのこれからの人生にとって今日がいちばん大事な日だって、先生そう言ってましたよ」

 

「歯磨きのことですかい?それならあっしはちゃんとやってますよ、毎日。それにしても人生って、ちょっと大げさじゃないっすか?」

 

「そうですよね、私もはじめはそう思ってましたけど、どうもそうじゃないみたいですよ、あっ、時間ですね、じゃあ先生の話聞いてみて下さいね、きっと面白いですよ」

 

 

プリベンションのことをプリプリと聞き違えちゃった与太郎さん、先生からどんな話を聞くのでしょう?楽しみですね。

 

 

「こんにちは!与太郎さん。また二日酔いなんですって?」

 

「または無いですよ、先生、または・・・」

 

「あははは、ごめんなさいごめんなさい。ところで与太郎さん、受付で何を話してたんですか?」

 

「いえね、なにやら今日はプリベだかなんだかで、先生からありがたいお話が聞けるって言ってました。なんでもあっしのこれからの人生にとってとっても大事なことだって、ホントですかい(一儲けの話だったらいいんだけど)」

 

「ほ〜、彼女も大したことを云うようになりましたね、立派りっぱ」

 

「感心してないで早く始めましょうよ、先生」

 

「おっと、そうでしたそうでした、じゃあ始めましょうか」

 

 

こんな感じで与太郎さんの診療が始まるようです。どうもいきなり虫歯の治療はしないようで不思議な感じですが、何か理由があるみたいですね。

 

では今日はこの辺で、おあとがよろしいようで(笑)。

いよいよですね、与太郎さん

 

こんにちは!茨城県守谷市古谷歯科医院、古谷 容です。

 

ご存知与太郎さんはデンタルドックの三回目を受け、将来の青写真を知ってしまいました。

 

とりあえず大家さんにご報告ということで、なにやらまた一杯やっているようです、本当にしょうがないですね(笑)。でもなにやらお悩みのようですよ。どうしたんでしょう。今日も長くなりそうですよ(笑)。

 

 

「まったくなんです与太郎さん、昼間っからこんな所に呼び出して」

 

「いえね大家さん、今日は祝杯でもあげようと思いまして」

 

「えっ、祝杯?何にです?」

 

 

そこへ中居さんがアツアツの二合徳利を二本持ってきました。与太郎さんは大家さんに、そして自分の猪口に注ぐと、

 

 

「アチチ、熱燗はこうじゃなきゃね、火傷しそうだぜ、じゃあ大家さん一つどうぞ、それでは乾杯ということで」

 

「与太郎さん、なにに祝杯を上げるんです?(アチチ、本当に熱いねこの燗は)」

 

「ほかでもね〜んですが、ほらあのデンタルドックってやつですよ、大家さんが教えてくれた」

 

「ほ〜、そのデンタルドックがどうしたんです?(私はちょっとぬるいのが好きなんですがね)」

 

「受けてきたんですよ、ほんで、今日がその三回目」

 

「いやぁ〜与太郎さん大したもんでしたね、三回目ですか今日が、そうでしたか、じゃぁ祝杯だ、それは良かった良かった、それにしても良く思い切りましたね、それでどうでした、結果は?先生はなんて言ってました?大丈夫って言ってました?それとも・・・」

 

「何ですかそれとも・・・って、そんなこと言ってませんでしたよ、まったく、人をおもちゃにしないでくださいよ」

 

「悪かった悪かった、別に悪気があるわけじゃないんですよ」

 

「じゃあなんです?」

 

「いや、先生なんて言ってたかなってね、それだけですよ(笑)」

 

「酒の肴はそのきびなごの唐揚げだけにしてくださいよ、まったく」

 

「はいはい、ではいただきますよ、与太郎さんもどうです熱い内に」

 

 

何とも話が本題に入らない二人です。しばらく熱いのをやりながら季節の香のものや焼いたホッケなんかをつっつきながらチビリチビリと重ねていくのでした。

 

 

「左官の熊さんが嫁をもらうのもらわないのって話で町内持ちきりですが、大家さんご存知ですか?」

 

「何いってんですか、知ってますよ、その娘さんを引き合わせたのは、この私なんですから」

 

「えっ、そうだったんですか、そりゃ、失礼しました、知りませんでした。それで結局はどんな塩梅なんです?」

 

「どんな塩梅もこんな塩梅もないんですよ。熊さんたらあ〜でもないこ〜でもないって、いつまでたっても決まらないんですよ。私も先方に早く返事をしたいんで催促はしているんですがね、困ったもんです」

 

「そうだったんですかい、それで皆やきもきして盛り上がってんですね。でも独り身が長いとね、分かっちゃいるんでしょうがどうも腰がね、お袋も抱えてるし(気持ちは分かるぜ)」

 

「と云うか与太郎さん、今日はそんな話ししに来たんじゃないんでしょ?」

 

「あっ、そうでした、ついつい話が余計な方へ行っちまって・・・そうそうデンタルドックの話でしたね、あっしとしたことが」

 

「頼みますよ、私だって暇じゃないんですから」

 

 

と云いながら中居さんに向かって“パンパン”と手をたたく大家さんでした。

 

 

「いえね大家さん、先生はね、大丈夫だって言ってくれてるんですよ」

 

「それは良かったじゃないですか、大丈夫ですよ、先生がそう言ってくださってるんでしたら」

 

「そうなんですがね・・・」

 

「どうしたんです?何か心配なことでもあるんですか?」

 

「いや、心配ってほどじゃないんですが・・・」

 

「じゃぁなんです?」

 

「あまりに口中の歯がやられてるんでね、治療が終わるのに長いことかかるんですって。それに・・・」

 

「それになんです?」

 

「それにね、お足が払いきれるかってね・・・先生んところは何でも“自由診療”とかで、保険が効かないっていうんでしょう?」

 

「あら与太郎さん、いま更何いってんです?そんな事は、はなから分かってることでしょ?分かってて診てもらったんじゃないですか。はじめにそう言ったじゃないですか、保険診療じゃないけどいいですか、って。あんたの口は他の普通の歯医者の先生じゃ手におえないんですからって、そう言いましたよ、憶えてないんですか?先のこと考えたら絶対にお得だって、私を見てくださいよ」

 

「えっ?」

 

「私もね若い時分はあなたほどじゃないけどね、ずいぶんと遊んでたもんですよ、それでねお決まりのように歯も悪くてね、えらく苦労したんです」

 

「へ〜知りませんでしたよ、そんなこと」

 

「そうですか」

 

「それでどうしたんです?」

 

「それでね、縁があったんでしょうね、先生に出会ってね、それこそデンタルドックですよデンタルドック。それから口中治療して、そうですね、終わってからもう20年は経ってますよ。メンテナンスにはおじゃましてますけれどね」

 

「そうだったんですか・・・20年ですか、20年なんともないんですか?」

 

「なんともないですよ、いいですか与太郎さん、人の口はね、健康を取り戻してね、そしてそれを維持して行くためにね、きちんとした治療とその後の管理を受けるだけの価値があるんです。つまり質の高いCureと心のこもったCareね(受け売りだけどちょっと難しいかな?)。分かりますか?だってそうでしょ?与太郎さん言ってたじゃないですか。歯の具合が悪いんでおまんまが上手く食えないって、歯が沁みたり痛かったりで仕事にも障りが出て親方に怒られるって、かみさんにもうるさいって言われるって、与太郎さんそう言ってたじゃないですか。よ〜く考えてみてくださいよ、もしね、今回先生に治療してもらってあなたの歯がね、快調になってスッキリしてね、おまんまがなんてことなくいただけるようになって、仕事もガンガンこなせて、親方に褒められてね、仕事をどんどん回してくれて、お給金も増えるってことになるんじゃないですか、だってあなた、腕はピカイチなんですから、親方この間そう言ってましたよ、もったいね〜んだって」

 

「・・・・」

 

「なにかお言いなさいな」

 

「確かにそうですね、そうか、歯が良くなって、歯のことなんかに煩わせられることがなくなって、体調も良くなり、仕事ががんがんできるようになるってことですね、大家さん?そうすれば昔みたいに稼げるって寸法ですね?」

 

「そうですよ、それにそれだけじゃないですよ、おまけもありますよ、おまけが(笑)」

 

「おまけですか?」

 

「そうですよ、何よりみねちゃんが喜びますよ」

 

「女房がですか?なんでかか〜が喜ぶんです?」

 

「そりゃあそうですよ、考えてもみなさいな、いいですか、ちょっと前まではね、与太郎っていやぁ、この界隈じゃ一番の腕効きですよ。その腕利きがね、その腕でバリバリ働いてね、しっかりとお給金を稼いできたのに、どうですか、今となっては、歯がどうのこうのと言ってばかりで、せっかく作ったおまんまも食べてもらえなくてね、酒ばっかり飲んでグダグダ言って、仕事も今は昔ってことじゃぁ、みねちゃんも機嫌が悪くなって当然じゃないですか、与太郎さん!どうなんです?そろそろ子どもだって欲しいと思ってるんじゃないですか、みねちゃんは、違いますか?(まったく何も分かってないんだから・・・)」

 

「・・・・・」

 

 

大家さんのありがたいお説教にぐうの音も出ない与太郎さんでしたが、“それもそうだな、確かに大家さんの云う通りだな、さすが大家さんだぜ”って思い始めたようです。こんなオレのためにこんなに一所懸命話してくれて、心配してくれて、女房のことまでね。ありがたいことだな。“オレは幸せ者だ”と少ししんみりとしてきた与太郎さんでした。そして、

 

 

「その通りです、大家さん、弱気なこと言って申し訳ありませんでした。本当に背中を押してくれてありがとうございます」

 

と言おうとして顔を上げ、大家さんの顔を見た与太郎さんは、口をあんぐり開けてしまいました。なんと大家さんは猪口を片手に寝ているではありませんか。

 

“昼間っから少し飲みすぎたのかな?今日はオレが払うか、まっ、それもいいか、たまにはな、いつもごちになってるしな。それに今日はありがたい話しも聞けたし・・・籠でも呼んでやるか・・・それにしても大家さんも口中治療してたとはな・・・”

 

パンパン

 

「おねえさん、勘定たのむよ、それと籠もな、急いでくんな、たのむよ!」

 

 

“今日はまだ早いし明るいけど、家に帰〜るか。大家さんの話ももっともだし、それにあの真剣さにちょっとじ〜んと来ちゃったしな。ありがたいことだな、本当に。帰〜って女房に今日の事を話してみるか「歯を治してまた昔みて〜にガンガン仕事もするし、おめ〜の作ってくれたうまい飯も食えるようになる」ってな、言ってみようかな、喜ぶかな?それに子どもの話もな・・・”

 

 

ってな感じで与太郎さんは、大家さんの後押しもあり、お口の健康を手に入れるための第一歩を踏み出し、いよいよ治療に入るようです。酔った勢いではないことを祈っていますが(笑)。

 

では、本日はこの辺で失礼致します。今回も長くなりまして、恐縮しています。ここまで読んで頂けた方、本当に有難うございます。よっぽど暇で、奇特な人もいたものですね、あっ失礼いたしました(笑)。

 

おあとがよろしいようで!