えっ、プリベンション、なにそれ?その22

こんにちは!守谷市古谷歯科医院、古谷 容(いるる)です。

 

「それにね、歯一つとってみても、いろいろな部分があって、噛み合わせのところは溝があったりするでしょう。あとね、歯と歯の間なんか奥まって見えもしないしね、結構複雑なんですよ」

 

「そういやそうですね、考えたこともね〜です」

 

「あと歯と歯ぐきの境には、ポケットといわれる溝があってね、こちらも結構複雑なんですよ」

 

「ということは何ですかい、腹の中やその他のところと違って口の中は複雑だってことなんですね?」

 

「そうですね。ですからその複雑なところに適したばい菌がいるということになるんです」

 

「へ〜、どういうことですか?」

 

「例えばね、歯の表面や歯ぐきに棲んでいるばい菌と、歯と歯ぐきの境にあるポケットの中のばい菌は違うんです」

 

「なんでです?」

 

「環境が違うからなんです。つまりね、歯や歯ぐきの表面には空気がたくさんあるけれど、ポケットの奥の方には空気はほとんどないんです。これが大きな違いなんです」

 

「へ〜、空気のありなしがそんなに影響するんですか。もっとも腹の中には空気はね〜でしょうから、確かに口の中とは大違いですね」

 

「そうなんです。それに皮膚なんて空気だらけですしね」

 

「ということは、空気が好きか嫌いかってことですかい?」

 

「ぴんぽ〜〜ん!(笑)すごいですね与太郎さん、やるじゃないですか」

 

「・・・・(褒められた)」

 

「もう少し専門的に言うとね、空気が好きなばい菌は“好気性菌”そして嫌いなのはね“嫌気性菌”というんです」

 

「なななんか、かっこいいですね、先生。じゃあ歯や歯ぐきの表面には好気性菌、ポケットの中には嫌気性菌ってわけですかい?」

 

「与太郎さん、凄いじゃないですか!その通りですよ!」

 

「ということはあれですかい?」

 

「なんですか?」

 

「つまり、腹ん中や皮膚と違って、口ん中は作りが複雑なんで、500〜700種類ものばい菌が自分が棲みて〜所を選んでみんなで仲良く暮らしてるってことなんですか?」

 

「その通りですよ与太郎さん、すごいですね。このことを一言で言うとですね、“共生”って言うんですよ。でも与太郎さん大したもんですね」

 

「嫌ですよ、先生、おだてないでくださいよ(木に登っちゃいますよ)」

 

「別におだてているわけじゃないですよ。与太郎さんがあまりに的を得たことを言うので驚いているだけですから」

 

「そうですかい、でも褒められると嬉しいもんですね、いくつになってもね」

 

「それは良かったですね」

 

「えへへ~(笑)あれ?ちょっと待ってください」

 

「どうしました?」

 

「おかしいじゃね〜ですか、先生」

 

「何がおかしいんです?」

 

「だってね、みんなが仲良く、え〜っとなんでしたっけ、そうそう“共生”でしたっけ」

 

「その共生がどうしました?」

 

「みんなが仲良く暮らしてるのになんでむし歯や歯周病ができちゃうんですか?」

 

「・・・・、いや〜〜与太郎さん、いい質問です!とてもいい質問です!その通りですよね、いや〜いい質問だ!」

 

「先生、良い質問ということは分かりましたから、感心ばっかりしていないで先を教えてくださいよ、先を・・・」

 

 

なにやら二人とも乗ってきちゃいましたね。ハイボールでも飲んでいるんでしょうか(笑)。

 

この続きは次回、おあとがよろしいようで!