最適口腔健康、なにそれ?

さて、今回は、前回勉強した“歯科的年齢”の続きのお話しです。

さてさて、大家さん、与太郎さんとの約束はどうなりました??

ではでは、“落語de勉強” 始まりはじまり〜〜!

 

 

与太郎との約束をすっかり忘れていた大家さんは、後日先生の所へおじゃまして、話を聞いてきたのでした。

 

「ところで与太郎さん、先日の話ですが・・・」

 

「ったく困りますよ、あっしの事忘れてもらっちゃ・・・」

 

「すいませんでしたね、まったく私としたことが。聞いてきましたよ、わざわざおじゃましてね」

 

「先生なんておっしゃってました?」

 

「ほ〜、おっしゃってました?なんて上品な言葉よく知ってましたね」

 

「からかっちゃいけませんよ、大家さん、そんなことはど〜でもいいから、話し聞かせてくださいってんですよ!」

 

「悪かった悪かった(笑)結局こういうことなんだよ。ほら与太郎さんは、“成人後期”でしたね」

 

「そうですよ」

 

「そりゃあ“老人”の一つ手前だから気にするのもわかるがね、まだ若いんだからなおさらだ、そこでな、先生がおっしゃるには、こういうことなんですよ」

 

「え〜い、まどろっこしいね、ったく、だから年寄りはいけね〜っつんですよ」

 

 

「あ〜そうですか、でも私のほうが歯は丈夫ですよ与太郎さん!歳ですけどね!」

 

「・・・・、う〜〜〜〜(涙)」

 

「ど〜です?、ぐ〜の根もでないでしょう(笑)、でもねこういうことなんですよ。結局ね、四つの分類のどこにあたってもね、大丈夫なんだそうですよ」

 

「なにが大丈夫なんです?」

 

「なんでも“最適口腔健康”っていう考え方があるんだそうですよ」

 

「なんですそれは?サイケデリックなケンコバさんのことですかい?」

 

「何言ってんですかね、この人は。まじめにお聞きなさいな。いいですか、こう云うことなんですよ。若人から老人のどこに分類されてもね、その時点で、その人に合った最適で最善の治療のための作戦を立ててで ね・・・」

 

「え〜イ何がなんだかわかんね〜よ、大家さん」

 

「その分類その分類にぴったり合ったプランを立てて、それに従って治療を進めていけば、ひとりでにおまんまでもなんでもよ〜く食べられるようになるって寸法らしいですよ、だから与太郎さんもお手上げってわけじゃないってことみたいですよ。良かったじゃないですか」

 

「えっ、それじゃあっしもそんなに心配することはね〜って思ってていいわけですかい?」

 

「どうも、先生がおっしゃるにはそういうことなんだそうですよ、でもね、ただ何にもしないで神仏にお祈りしていりゃいいってもんでもないらしいですよ」

 

「なんです、それは?」

 

「いやね、こういうことなんですよ」

 

「え〜い、まどろっこしいな!」

 

「だから年寄りは、ですか?」

 

「・・・・・(汗)」

 

「まあまあそう急かしなさんな、先生がおっしゃるにはね、まずデンタルドックをやって与太郎さんのお口の様子を隅から隅まで、いいところも良くない所も、きれいさっぱりと調べるんですって。それがスタートらしいですよ」

 

「それからどうなんです?」

 

「なんでもデンタルドックのデータを元に先生がね、それぞれの患者さんにピッタリと合った、将来を見越した“青写真”を考えてくださるらしいですよ」

 

「青写真・・・ですか。なんです、それは?」

 

「治療のための計画って云うか、プランっていうか、見取り図とでも云うんですかね?」

 

「そんなあっしに聞かないでくださいよ(プンプン)でもなんだか先が見えてくるようですね(喜)トンネルを抜けるとって、そんな感じがしてきましたよ、大家さん」

 

「そうですね、プランが決まればゴールがはっきりするので、さすがの与太郎さんでも何をどうすればよいのかが分かるらしいですよ」

 

「さすがの、は余計ですよ。でもなんだか不安な気持ちが晴れてきましたよ。ありがとうございま〜すお世話になりました〜〜(ルンルン)」

 

と、大声で叫びながら、大家さんが止めるのも聞かず、与太郎さんは通りへ飛び出して行ったのでした。

 

「困ったもんだね〜与太郎さんは。あれで良くなるとでも思ってるのですかね・・・話はこれからなのにねェ・・」

 

と肩を落とす大家さんでした。

 

解説

この“最的口腔健康”という言葉も、私の“大師匠”のパンキー先生が考えた用語です。

 

スライド075

 

このようにたとえ歯科的年齢がどの分類に当てはまっても、現在の状況の中で最適で最善の、しかも生涯に亘り維持することが可能と思われる健康状態を“最適口腔健康”と呼びます。

 

つまり、現在の与太郎さんの状況で得ることができる“最適口腔健康”を作ることができれば、彼は希望通り「おいしくおまんまが食べられ、大口を開けて喋ったり笑ったり、悪態をついたり」ができるようになり、仕事も順調にこなせ、おかみさんはゴキゲンになり、幸せな人生を歩んで行くことが出来るでしょう。

 

めでたしめでたし。では、本日はこの辺りで、おあとがよろしいようで(笑)。