えっ、プリベンション、なにそれ??

こんにちは!守谷市 古谷歯科医院、古谷 容です。

 

今日は待ちに待った(?)診療開始の日です。果たして与太郎さんはどんな心持ちなのでしょうか。興味ありますね。でもなにやら朝から揉めているようですよ、大丈夫かな与太郎さん、乞うご期待です(笑)。

 

 

「なんだいお前さん、ったくあれほど“今夜はやめときな”って言ったのに、こんなになるまで飲んじゃって、しようがないね〜、ホントいやんなっちゃうよ、まったく、いつもいつもこんな調子で大丈夫かねこの人は、歯の治療なんてできるのかしらね」

 

「うるせ〜な〜、静かにしてくれよ朝から、頭痛て〜んだよ」

 

「何言ってんだろうねこの人は、本当に情けないよ、昔はこんなんじゃなかったのにね、どうなっちゃったんだろうね〜、まったく」

 

「うるせ〜って言ってんだろ(イテッ)」

 

と取り付くシマもない与太郎さんです。大家さんのありがたいお話の後しばらくはおとなしくしていたのですが、日が経つにつれ、やっぱり不安がよぎるようになってきたのです。まったく仕様が無い与太郎さんですね(笑)。

 

「そんなこと言ったってあんた、忘れちゃったの、今日は先生ンとこ行くんでしょ?夕べそう言ってたじゃないですか。朝一だって云うから起こしてんのに・・・」

 

「朝一じゃね〜よ、昼一だよ」

 

 

ここんところはきちんと計算しているようですね(笑)。

 

 

「これから松の湯行ってひとっ風呂浴びてゆっくりして、それから行くんだよ」

 

「また怖くなってんじゃないのかい、お前さん」

 

 

と皮肉たっぷりの目で見られて、ますます機嫌が悪くなり、そそくさと出かけていくのでした。

 

 

「お前さんお足おあし、それに手ぬぐい!!」

 

 

なにからなにまで一人じゃできない与太郎さんでした(笑)。

 

 

「ちわ〜・・・」

 

「あっ与太郎さん、こんにちは!」

 

「・・・・」

 

「どうしたんですか与太郎さん。顔色が良くないですよ、また二日酔いですか」

 

「・・・・(図星だぜ)」

 

「大丈夫ですよ、今日は怖くないですよ(にこっ)」

 

「ホントですか、でもなんでです?」

 

「今日はプリベンションの一回目ですから」

 

「プリ??あっ、プリプリですかい?そーですね、プリプリといや〜“ダイヤモンド”もいいけどアッシはやっぱり“M”かな?でも“パパ”もいいっすよね、グッとくるし・・・(娘いないけど)」

 

「なに言ってんですか与太郎さん、違いますよ、プリンセスプリンセスのことじゃなくて、プリベンションですよプリベンション!プリベンション・プログラムのことです」

 

「じゃあなんです、そのプリベンションなにやらってのは?」

 

「予防のことです。与太郎さんのこれからの人生にとって今日がいちばん大事な日だって、先生そう言ってましたよ」

 

「歯磨きのことですかい?それならあっしはちゃんとやってますよ、毎日。それにしても人生って、ちょっと大げさじゃないっすか?」

 

「そうですよね、私もはじめはそう思ってましたけど、どうもそうじゃないみたいですよ、あっ、時間ですね、じゃあ先生の話聞いてみて下さいね、きっと面白いですよ」

 

 

プリベンションのことをプリプリと聞き違えちゃった与太郎さん、先生からどんな話を聞くのでしょう?楽しみですね。

 

 

「こんにちは!与太郎さん。また二日酔いなんですって?」

 

「または無いですよ、先生、または・・・」

 

「あははは、ごめんなさいごめんなさい。ところで与太郎さん、受付で何を話してたんですか?」

 

「いえね、なにやら今日はプリベだかなんだかで、先生からありがたいお話が聞けるって言ってました。なんでもあっしのこれからの人生にとってとっても大事なことだって、ホントですかい(一儲けの話だったらいいんだけど)」

 

「ほ〜、彼女も大したことを云うようになりましたね、立派りっぱ」

 

「感心してないで早く始めましょうよ、先生」

 

「おっと、そうでしたそうでした、じゃあ始めましょうか」

 

 

こんな感じで与太郎さんの診療が始まるようです。どうもいきなり虫歯の治療はしないようで不思議な感じですが、何か理由があるみたいですね。

 

では今日はこの辺で、おあとがよろしいようで(笑)。

いよいよ本番だぜ デンタルドック(笑)

こんにちは!守谷市古谷歯科医院 古谷 容です。

おかみさんに火打ち石で送り出してもらった与太郎さんは、その後どうなったのでしょうか?無事に先生の所へ行けたでしょうか?

 

「火打ち石はね〜よな、ったく、心配症だぜうちのかみさんも・・・」

 

・・・なんてブツブツ言っているうちにとうとう先生のところに着いてしまいました。

 

「ちわ〜」

 

「あっ与太郎さんですね、お待ちしていました」

 

「デデデ、デンタルドックなんですが・・・」

 

「そうですね、どうぞお入り下さい」

 

というわけで、ついに与太郎さんはまな板の鯉になったのでした(笑)。

 

 

「では始めていいですか?その前にデンタルドックについてちょっとお話しますね」

 

「へい」

 

「デンタルドックは3回かけてやりますよ」

 

「へ〜、3回もかかるんですか」

 

「与太郎さん、3回もかかるんじゃなくて、かけるんですよ」

 

「ほ〜、じゃあよっぽど詳しくやるんですね?」

 

「そうですよ、一回目はね、与太郎さんの情報を集めます」

 

「なんです、そのジョーホーってのは?」

 

「それはですね、与太郎さんのお口の中の様子を知りたいってことなんです」

 

「じゃあなにをどうやるってんですかい?」

 

「先ず歯の写真を撮ります。レントゲンも撮ります。あと歯ぐき。歯周病の検査ですね。最後にとっても大切な噛みあわせも調べさせて下さいね」

 

「それじゃあ今日は大変じゃね〜ですか」

 

「いえいえそんなことはないですよ」

 

「えっ?」

 

「与太郎さんはただお口を開けていればいいんですから・・・(笑)」

 

「は〜」

 

「で、二回目は“共同審査”というのをやります」

 

「なんですかその共同なんとかっていうのは?」

 

「今日集めた与太郎さんの情報、歯の写真とかレントゲン写真とかがね、今はデジタルですからこの画面に簡単に乗るんです。それを見ながら問題点があれば二人で見つけていくという時間なんです。これはパンキー先生が考えだしたやり方で、患者さんが自分のお口に対する理解を深めるために必要不可欠なのです」

 

「へ〜、そりゃあ凄いですね。あっしは自分の口がどうなってるのか正直いってよく分かってないんです、実際。なんか、ここの歯が無くなってるとか、ここの歯が欠けて滲みるとか、ここから変な匂いがするとか・・・」

 

「そうでしょう、皆さんそうなんです。だって患者さんですから」

 

「えっ!みんなそうなんですか?あっしだけじゃないんですか?」

 

「そうですよ、だからデンタルドックが必要なんです。自分のお口を第三者の目で見ることが必要なんです(客観的にね)」

 

「ほ〜〜(いいこと言うね、この人は、納得かも)」

 

「どうです、いい感じでしょ?」

 

「確かに・・・、じゃあ三回目は何をするんです?」

 

「三回目はね、与太郎さんのデータを元にして、先ずは現状を改善して、快適に食事ができ快調に笑って暮らせるためにどうしたら良いかを考えますよ」

 

「へ〜そりゃぁ、ありがたいこってす」

 

「それだけじゃないですよ」

 

「えっまだあるんですか?」

 

「今回の治療で、ゲット出来た健康なお口を、生涯維持できるためにどうしたら良いかも提案します」

 

「ゲット、、、(ポケモンじゃね〜し)」

 

「それに、この歯はこういう治療、この歯はこうすると云った具体的な方針もお話します。最終的にはこうなりますよ、と云った将来の青写真も提案しますよ」

 

「へ〜、そこまで面倒見てくれるんですか・・・(安心かも)ところで青写真ってなんです?」

 

「与太郎さんだって仕事で使ってるじゃないですか。図面のことですよ、設計図のことですよ」

 

「へ〜、設計図ですか、そう云や、今までの治療は行き当たりばったりで将来のことなんか全然話にも出ませんでしたよ」

 

「そうですね、でもそれが普通なんですよ。今の日本じゃね。じゃあ始めましょうか」

 

 

ってなわけで、先生は与太郎さんのお口の隅から隅まで詳しく調べたのでした。

 

 

「やっぱり“成人後期”なのかな〜、トホホ」

 

 

解説

患者さんという立場の人は、自分の口に関してはいわゆる“主観的”な情報しか持ち合わせていません。

与太郎さんが言っていたようにです。

その“主観的”ないわゆる“感じ”を第三者の目で見ることによって、より具体的で“客観的”な“現状”として認識していただく。

そして将来の健康的な生活、「歯のことで悩んだり嫌な思いをしなくてもすむ生活が、チョット頑張れば手に入れることができるんだ」と思っていただく。安心していただく。

デンタルドックはこんな目的もあるのです。調べるだけじゃないんですね。

いかがですか、あなたも与太郎さんを見習って“デンタルドック”受けてみませんか?

 

なんか、うまくいくような気になってきたでしょう(笑)。

 

では、この続きは又の機会に。

続々、デンタルドック、なにそれ?

こんにちは!守谷市古谷歯科医院 古谷 容です。いよいよ今日は与太郎さんが“デンタルドック”を受ける日です。でもなんだか様子が・・・。

 

それでは“落語de勉強”はじまりはじまり〜。

 

明日のことが心配で心配で、寝付きが悪かった与太郎さんは、ついつい飲み過ぎてしまったようです。

 

「あたたた、頭痛て〜(涙)ったくなんて天気だ、お天道さまも意地悪だね、どうも、眩しくて目も開けられないぜ(トホホ、安い酒はダメだね)この間、先生のところから帰〜る時にはなんともいい心持ちだったのが、やっぱり嫌なもんだね(ブツブツ)」

 

と、まったく元気が無い与太郎さんが往来を歩いていますと、向こうから見知ったお人が・・・。

 

「あっ、やだね、大家さんだ、会いたくね〜」

 

と脇へ入ろうとしたその時、

 

「おやっ、与太さんじゃないか、どうしたんですかそんな青い顔して・・・」

 

とは、やっぱり大家さんでした。

 

「あっ大家さん。お早うございます」

 

「おはようございます、じゃあないですよ、なんです朝からフラフラしちゃって、まるで、うらなり瓢箪じゃないですか!」

 

「うらなりはひで〜じゃないですか」

 

「うらなりだからうらなりって言ってんですよ、それにしてもど〜したんです?」

 

「大家さんだけには話したくないです・・・」

 

「何言ってんですかね、この人は、ったく、おおかた夕べ飲み過ぎたんでしょ?あれ、ちょっと待って下さいよ。今日は先生ん所へ行く日じゃないですか、この間元気にそう言ってましたよね?」

 

「・・・・」

 

「はは〜、どうやら怖気づきましたね(笑)それで眠れなくて飲んじゃったんですね?」

 

「・・・・・」

 

「図星ですね(笑)」

 

「面目(めんぼく)ないです」

 

「で、これからどこへ行くんです?こんな早くに」

 

「イエね、そこの松の湯でひとっ風呂浴びてすっきりしよ〜ってことなんですよ。そんで飯でも食って元気つけて、それから・・・」

 

「それから、なんです?」

 

「意地が悪いな大家さんは。先生んとこへ行くんですよ」

 

「ほ〜、それはいい心がけですね。いいことありますよ、きっと」

 

「大家さんも人が悪いや、からかっちゃぁいけませんよ」

 

とまぁこんなわけで、与太郎さんは朝湯をし、アルコールが抜けたところで、ご飯を食べて「さあ」ということで先生のところへと向かうのでした。

 

カチッ!カチッ!

 

「なにやってんだよお前、火打ち石なんか打ちやがって・・・(平次親分みて〜じゃね〜か)」

 

「なにやってんだよじゃありませんよ、そんなに青い顔して出かけようとするもんだから、縁起でもないことが起こっちゃいけないってんで、心配してやってるんじゃありませんか」

 

「おおお、お前、そんなに俺のことを・・・(涙)」

 

「朝から馬鹿なこと言ってるんじゃありませんよ。ところでお前さん、これから行くとこはそんなに恐ろしいところなのかい?」

 

「・・・・・」

 

 

とまあ、朝から大騒ぎの与太郎さんです。

 

いかがでしたか、患者さんである与太郎さん気持ちの変化が分かって頂けたでしょうか(笑)。

では、ちょうど時間となりましたので、この続きは又の機会ということに致しましょう。おあとがよろしいようで。

 

次回は、与太郎さんが実際にデンタルドックを受けるようです。お楽しみに!!

 

 

解説

多くの患者さんが“歯医者”へ行くということは、決してお気楽なことではなく、一大決心で、しかも初めての歯科医院の場合は“清水の舞台”から飛び下りるくらいな気持ちなのではないでしょうか。

 

決して与太郎さんを笑えませんね(笑)。

 

そういう患者さんをお迎えする我々は、パンキー先生や川村先生から“As a guest”という言葉を教えられます。

 

“お客様をお迎えするように”・・・とでも云うことなのでしょうか。

 

では実際にはどのようなことでしょう。

 

 

例えばですが、想像してみてください。

 

あなたのお宅に初めてのお客さんをお迎えする日です。

 

お部屋を片付けたり、玄関まわりを掃除したり、お花を生けてみたり。最初にどんなことを話そうかとか・・・、目に浮かびますね。

 

患者さんを、特に初めての方をお迎えする場合は、そのようにしなさい、と教わります。

 

いかがでしょうか。私たちはそのような温かい雰囲気の歯科医院を目指しています。

 

きっと、今までとは違う ”Dental Experience” を味わえること、請け合いですよ(笑)。

今回は真面目(笑)

第一回トゥレット症候群治療推進学会に参加してきました。

 

今回は真面目です。

 

でも、今までが不真面目だったかと云うと、そんなことはないと自分では思っていますが・・・(笑)。

 

ゴールデンウイークに大阪で開催された、第一回トゥレット症候群治療推進学会に参加してきました。

 

「トゥレット症候群とは、チックで定義される症候群であり、発達障害に含まれます。他種類の運動チックと1種類以上の音声チックが一年以上にわたり続き、小児期に発症します。これらのチック症状は自分ではコントロールが難しいもので、本人が肉体的、精神的に苦しいばかりではなく、周囲の人々にも不快な感情を抱かせ、学校・職場・家庭での生活に支障が出ます。この抑えがたい動きや音声がトゥレット症候群の特徴です(NPO法人日本トゥレット協会)」

 

恥ずかしながら最近までこの事について、私自身まったく知りませんでした。きっかけはHPに貼り付けてあったUtubeを見てしまったことです。驚きました。まったくの門外漢の私に何ができるのだろう、しかし、知ってしまった以上何かをしなければいけないのでは、との思いでした。

 

内容は、薬物療法、行動療法等に加え、今回は従来まったく関与してこなかった歯科分野からのアプローチの紹介でした。

 

歯科用スプリントを応用し、症状の改善を図ろうと云う取り組みです。

 

これなら私にもできるのではないか、困っている人の力になれるのではないか・・・と思いました。

 

第一日目は患者さん対象のシンポジウム。二日目と三日目は歯科医師対象の技術セミナーでした。講師はAACP専門医、Maryland Center for Craniofacial TMJ and Dental Sleep DisorderのAnthony B. Sims先生。専門はTMJ, Craniofacial Disorders, Jaw painです。

 

内容はその殆どが、第5脳神経(三叉神経)の解剖と生理、その異常シグナルで生じる様々な障害。適切な画像診断の重要性、適切な病歴の聴取でした。

 

そして歯科用スプリントを用い、患者さんが劇的に変わっていく過程を示した、何症例にも及ぶビデオでの解説。

 

驚きました・・・。

 

三日目午後からの実習では、7人の患者さんに対し、Sims先生が実際にスプリントを調整し、症状が消えていく過程の見学、そして私たちもスプリント調整のお手伝いをさせて頂きました。

 

驚きました・・・。

 

 

 

あっという間の三日間。とても有意義で得るものが多かったセミナーでした。これからは知り合った仲間とチームを作って、少しづつ勉強しながら活動して行きたいと考えています。

長いことPankey先生の歯科臨床哲学を学んできて本当に良かったと、今心から思います。Sims先生もPankey先生についてご存知で、少しの間お話させて頂きました。

 

ゴールデンルール。プロフェッションの考え。目の前の人に対し、自分の持っている最善のことをすること。自分がしてもらいたいことを目の前の人にすること・・・。

 

このことを行動の規範として、生きたいと思っています。応援よろしくお願い致します。

http://www.pntts.net

第一回トゥレット症候群治療推進学会で検索して下さい。そして是非動画を見て下さい。

 

 

では!! 古谷歯科医院 古谷 容でした。