えっ、プリベンション、なにそれ?その7

 

こんにちは! 守谷市古谷歯科医院 古谷 容(いるる)です。

 

ついに虫歯の原因は“むし歯菌”と知ってしまった与太郎さん。

 

「ってことは何ですかい、先生!あっしの口ん中には、なんですか、その“

むし歯菌“ていう、バイキンがいるってことですかい?(カタカナで云うとバイキンマンって感じだぜ)」

 

「そうなりますね」

 

「えっ、・・・・あっしの口ん中にばい菌??」

 

「どうしたんですか?」

 

「どうしたんですか、と言われましても、その〜(信じられないぜ、実際)」

 

「信じたくない気持ちはわかりますが、本当のことなんですよ、これは」

 

「・・・・」

 

「いいですか与太郎さん、人はね、ばい菌だらけなんですよ。ほらこの私の顔とか腕とかの皮膚にもね、ばい菌はいっぱいいるんです。お腹の中にもですよ、それに口の中にもです」

 

「・・・・」

 

「常に存在する菌、つまり、難しい言葉で云うとね、“常在菌”っていうんですよ」

 

「じょ〜ざいきん・・・?」

 

「そうです、さっき言った皮膚にはね、“皮膚常在菌”おなかには“腸内常在菌”そしてお口の中には、“口腔内常在菌”ってばい菌が居るんです。しかも山のように満載してるんですよ」

 

「そんなんじゃ汚くてしょうがね〜じゃね〜ですか、先生!これからひとっ風呂浴びて、そうそう三助のトメによ〜く流してもらってきますよ、先生、一緒に行きませんか?」

 

「何を言ってるんですか、それに朝行ってきたんでしょ?」

 

「そんなこと言ったって、あっしの身体にばい菌がうようよいるって聞くと、もう気持ち悪くて気持ち悪くて・・・(抗菌グッズ買いに行こ)」

 

「いいですか与太郎さん、あなたがよしえさんのお腹の中にいた頃はばい菌なんてそりゃあ一匹もいませんでしたよ。でもね、ヨイショ!ってね、この世に出てきてからは、それはそれはたくさんのばい菌と一緒に生きてるんですよ、28年もね。みんなそうなんですよ、誰でもです。それにあなたの大好きな架純ちゃんもばい菌だらけなんですよ」

 

「えっ、あの架純ちゃんにもばい菌が?(絶句、まさか)」

 

「これをね、難しい言葉で云うと、“共生”って云うんです。一緒に生きているってことなんですね、助け合ってるんですよ」

 

「きょ〜せ〜、ですかい?でもあっしはばい菌なんかに助けてもらってる覚えはありませんぜ、実際(何云ってんだかこの人は、大丈夫か?)」

 

 

とかなんとか云いながら、自分を合理化しようとしていますね。聞いたことのないような話の連続で、少々疲れ気味の与太郎さんでした。

 

今日はこのへんで、あおとがよろしいようで(笑)。

 

注)本稿での“ばい菌”は一般用語であり、生物学的には“菌”“細菌”あるいは“微生物”である。また“よしえさん”は与太郎さんの母上である。以上、蛇足でした。また架純ちゃんとは、あの有村架純ちゃんだかなんだか、ご想像にお任せいたします。架純ちゃん、ゴメン!(笑)。

 

えっ、プリベンション、なにそれ?その6

こんにちは!守谷市古谷歯科医院 古谷 容(いるる)です。

 

 

「じゃあ与太郎さん、むし歯の原因は、あんころもちやおはぎですか?」

 

とたたみ込まれた与太郎さん、さすがにちょっと、ムッとしているみたいですよ(笑)。

 

 

「・・・・、ちょっと待って下さいよ、先生」

 

「なんです?」

 

「確かにおかしいすっね、インフルエンザや結核はウイルスや菌、最近流行りのエイズもウイルス、こんなの常識だし・・・平昌で流行りのノロもウイルスだし・・・」

 

「ほ〜」

 

「何でむし歯はあんころもち・・・・(変だなこれは・・・)」

 

 

さすがの与太郎さんも“ちょっとおかしいんじゃない”って気付いてきたみたいですね。

 

 

「先生!むし歯もウイルスやら菌やらってのがいるんですかい?いや、そうにチゲ〜ね〜。先生!そうなんでしょ?あんころもちじゃあね〜んですよね?」

 

「・・・・ほ〜」

 

「ほ〜じゃね〜ですよ、どうなんです、先生!どうなんです?サア〜、サア〜、サアサアサアサア〜〜!」

 

「♪〜知らざあ言って聞かせやしょう、浜の真砂と五右衛門が、歌に残せし盗人の〜〜」

 

「先生、ちょっと待って下さいよ、先生!白波五人男じゃあね〜んですから」

 

「おっと、そうでした、お前さんがサアサア〜なんて云うもんですから、つい調子に乗ってしまって・・・(今はまってるもんで歌舞伎・・・)」

 

「浜松屋ですかい、先生?頼みますよ、仕事中ですよ、仕事中!」

 

「アハハハ、私としたことが、申し訳ありませんでした、与太郎さん、ところで何の話でしたっけ?」

 

「・・・・。なんの話じゃねあ〜ですよ、あんころもちやウイルスの話ですよ」

 

「そうでしたね、そうでした」

 

「そうでしたって先生、大丈夫ですかい?それでなんなんです、その〜、むし歯の原因ってやつは?まさか“むし歯菌”なんてことはね〜ですよね、まさかね、あはは〜」

 

「・・・・(汗)」

 

「えっ、なんですこの沈黙。そのまさかなんですかい?」

 

「ピンポ〜ン、正解です!凄いですね、与太郎さん!その通りですよ!」

 

「やっぱりそうですかい、そうじゃね〜かなって思ってたんですよ。実際あんころ餅ってのはやっぱり変ですよね、ど〜考えてみても(笑)」

 

 

と、まあこんな塩梅で、むし歯の原因は“むし歯菌”と知った与太郎さんでした。

これからどうなりますやら。

 

本日もおあとがよろしいようで(笑)。

えっ、プリベンション、なにそれ?その5

こんにちは! 守谷市 古谷歯科医院 古谷 容です。

なにやら少しむずかしい話になってきたようですよ。与太郎さん、大丈夫でしょうか?

 

「ところで与太郎さん、インフルエンザの原因ってなんだか知ってますか?」

 

「なんですか先生、藪から棒に。知ってますよ、テレビでも新聞でもうるさいくらいやってますからね。ウイルスです。A とかBとかあるんでしょ?」

 

「ほ〜、正解です!凄いですね」

 

「・・・・」

 

「じゃあ、結核と云う病気、聞いたことありますよね。これの原因は?」

 

「菌です。結核菌(きっぱり)」

 

「・・・・、正解、凄いですね与太郎さん」

 

 

このように体の病気については、与太郎さんを含め皆さんよくご存知です。また血圧の正常値や血糖値、肝臓のデータや尿酸値、中性脂肪等々。病院でもらった“短冊”の自分の検査結果と正常値を見比べて「あ〜でもない、こ〜でもない」と一喜一憂しているのをよく見かけます。

 

みなさん、いかがですか?(勿論私もその一人ではありますが・・・笑)。

 

 

「それでは与太郎さん、むし歯の原因は?」

 

「そりゃあ、あれですよ、あれ・・・」

 

「あれってなんです?」

 

「甘いもんです、昔死んだ婆さんがね、よくくれたんです、あんころ餅とかおはぎとか。まあこれが旨いのなんのって、婆さんこれ自分で作るんですよ。そんであっしが好きなの知ってるんで、のべつ作ちゃ〜くれるんです。食べな、とか言って。嬉しそうな目〜してね。そんで夜なんかそのまま寝ちゃうもんだからひとたまりもないですよね」

 

「ほ〜」

 

「そんで、大人になってからは、ほら、先生もご存知のように、酒呑んじゃあ大暴れで、そのまま寝ちゃうし・・・歯の掃除、ですかい?そんなもん適当ですよ。やったりやらなかったりで・・・(盆と正月くらいかな)」

 

「そうですか、与太郎さんは両刀なんですね」

 

「なんです、その両刀ってのは」

 

「甘いものも好きでお酒も大好きって人のことですよ」

 

「確かにそうですね。甘いものには目がないんですよ。それに酒も。そんでこの間、町の検診で血液検査したんですよ」

 

「ほ〜それでどうでした、結果は」

 

「そこなんですよ、血糖値がちょっとヤバイことが分かったんです。空腹時と食後血糖値ってのがあって・・・それにヘモグロビンなんとかってのもあるんですかい?あっしの場合やっぱり糖尿の気が・・・インスリン・・・膵臓、ランゲルハンス島・・・それに酒飲みだから肝臓のGPT、GOTが・・・」

 

「まあそれはいいんです。それにしてもよく知ってますね、与太郎さん」

 

「そりゃあそうですよ、身体の事ですから必死ですよ」

 

「で、むし歯の原因はなんでしたっけ?」

 

「だから、先生、何度も言わせないでくださいよ、甘いもんとてきと〜な歯ブラシです!チョコも好きだしケーキもクッキーも、日本酒も(これも砂糖か・・・)」

 

「じゃあインフルエンザは?結核は?エイズは?」

 

「くどいな〜先生も、ウイルスや菌です」

 

「じゃあむし歯は?あんころもちやおはぎですか(笑)」

 

「・・・・」

 

 

ってな感じで今日も長くなってしましましたので、このへんで。

おあとがよろしいようで(笑)。

 

与太郎さん、がんばれ〜〜〜!!

えっ、プリベンション、なにそれ?その4

こんにちは! 守谷市 古谷歯科医院 古谷 容です。

 

何回も“むし歯は立派な病気!”と知らされた与太郎さん。頭の中はいわゆる大混乱ってところでしょうか(笑)。

 

 

「ところで与太郎さん、むし歯はどうしてできると思いますか?」

 

「どうしてって先生、そんなの当たり前じゃないですか」

 

「どんなふうに当たり前なんです?」

 

「そりゃ、あれですよ、め〜にも云いやしたが、婆さんから聞いた話じゃ、あれでしょ?」

 

「なにがあれなんです?」

 

「年行きゃぁ誰だって歯はぼろぼろになるって、あれですよ」

 

「そうでしたそうでした、そう言ってましたね」

 

「年取りゃあ、歯は抜けるし目は見えなくなるし、耳だって遠くなるってあれデスよ」

 

「じゃあ与太郎さんはまだそれを信じているんですね?それじゃあ諦めるしかないですね(笑)。これからどんどん年齢が上がっていくに従って、ますますひどい事になっていくんでしょう?与太郎さんはまだ若いので、幾つでしたっけ、えっ28ですか、まあ80過ぎくらいまで生きるとして、そうですね、あと50年位は苦しみ続けるわけですか。大変ですね。これから随分と長いこと苦しむんですね(笑)」

 

「・・・・よしてくださいよ、先生も意地悪ですね(医療人の風上にもおけね〜ぜ)」

 

「そうなってからでもいいし、そうならないように今のうちに予め手を打つこともできますけど、どうします?」

 

「どうしますって、そうならないようになりたいから、ここに居るんじゃないですか」

 

「あっそうでしたね、すみませんでした。じゃあ話をもどしましょうか」

 

「早く先へ行きましょうよ、じゃぁむし歯は何でできるんです?」

 

「知りたいですか?」

 

「知りたいっす。お願いします!!」

 

 

解説

ここで質問です。

 

「先生はどうしてむし歯の成り立ちや原因、つまりどうしてできるのかに固執するのでしょう?」

 

答えは「彼を知り己を知れば百戦殆うからず」と云う孫子の教えです。

 

むし歯の“原因と機序”、つまり何が原因でどのようにしてできるのかを知れば、治療に役立つし、治療を受けた歯が良い状態で長持ちするし、何より“予防”ができ新しい虫歯ができない、と云う良いことずくめになるからです。つまり与太郎さんがこれから受けようとしている、プリベンション・プログラムが彼のこれからのにとってどれだけ大切で、おそらく彼の人生を大きく変えるくらいのインパクトを持っているものと信じています。そして与太郎さんが学んだことは、目には見えない無形の“財産”となり、”一生の宝”となることでしょう。

 

本日はこの辺で、おあとがよろしいようで(笑)。

えっ、プリベンション、なにそれ?その3

 

こんにちは! 守谷市 古谷歯科医院古谷 容です。

新年明けまして、おめでとうございます!と云っても、もう少しで2月になっちゃいますが・・・。みなさんお変わりなくお過ごしのこととお慶び申し上げます。

というわけで、本年も当ブログと古谷歯科医院をよろしくお願い致します!!

 

さあなにやら、“むし歯は立派な病気”と言われた与太郎さん。むし歯を病気とは思っていなかった彼、頭の中どんな塩梅になっているんでしょう(笑)。

 

 

「えっ、あれですか。えっ?ひょっとしたらむし歯ですかい、先生。でもむし歯は病気なんですか??(止めてくださいよ、冗談でしょ?)」

 

「何言ってるんですか、与太郎さん、むし歯は立派な病気なんですよ!!」

 

「・・・・」

 

「知らなかったんですね?」

 

「でもお言葉ですが先生、むし歯で死んだ人いるんですかい?」

 

「そんなこと言ったら与太郎さん、口内炎で人は死にますか?」

 

「・・・聞いたことありませんね。痛くておまんまが上手くいただけないなんて云うことくらいですかね」

 

「でしょう?そうなんですよ、何も死なないから病気じゃないなんて、ちょっとおかしな話ですよね」

 

「確かにそうっすね、風邪も病気だけれどそうそう死にやしませんからね」

 

「でも立派な病気でしょ?」

 

「じゃあ先生、むし歯は本当に立派な病気なんですね?」

 

「そのようですね(笑)」

 

「するって〜と、あっしの口は病気だらけってことじゃないですか、先生?」

 

「そういうことになりますね(くどいねこの人は何回も・・・)」

 

「・・・・・・」

 

「おまけに歯ぐきからも出血がありましたのでこちらも病気ですよ、立派なね」

 

「立派な歯周病ですかい?・・・」

 

と、先生の話にぐうの音も出ない与太郎さんでした。

 

「ところで先生」

 

「なんです?」

 

「実は大家さんのことなんですが、この間飲んだ時にね、“私の歯も昔はたいそう悪かったんですよ”なんてこと言ってましたけれど、本当なんですかい?」

 

「患者さんのことを詳しくは話せませんが、与太郎さんだったらいいでしょう。そうですね、あなたほどではないですけれど、悪かったですよ、確かに」

 

「でででも今はピカピカですよね?あっしも大家さんみて〜にきれいになれますよね?」

 

「なれますよ、安心していて下さい、与太郎さん。でもね・・・」

 

「へい」

 

「これからやろうとしているこの・・・」

 

「プリベンション・プログラムがで〜じだってことですね?」

 

「・・・・・・」

 

 

解説

そうなんです。むし歯は立派な病気なんですね。二回も続けて“むし歯は病気!”って繰り返しました。それほど大切なことと私は思っています。

 

なぜでしょう?

 

それは“むし歯は生活習慣病”と言われているからなのです。

 

そうですね、“生活習慣病”といえば、皆さんよくご存知の糖尿病や高血圧などが直ぐ頭に浮かぶと思います。いかがですか?

 

そして最近、この中にむし歯や歯周病が含まれるようになったのです。ご存知でしたか?

 

しかし“生活習慣病”も一昔前は、“成人病”などと言われていたのです。これは覚えていらっしゃる方も多いのではないでしょうか。でも成人病だとむし歯は含まれませんね。何故かと言うとむし歯は子供や若い方もかかるからですね。当たり前ですね。

 

でも、“生活習慣病”の中に入れてもらえたお陰で、とても良いことがありました。

 

なんでしょうか?それは・・・、

 

とまあ、ここまで書いたところで、またまた長くなってしまい、お叱りを受けることになりますので、今日はこのへんにしましょう。

では、おあとがよろしいようで(笑)。

 

えっ、プリベンション、なにそれ?その2

こんにちは!守谷市 古谷歯科医院 古谷 容です。

 

二日酔いのフラフラ頭を押して、やっとの思いで先生の所へたどり着いた与太郎さん。まずはプリベンション・プログラムで怖くはないと知りちょっと安心したようですね。さあ、これから実際に始まるようですよ、どんなことになるのでしょう、楽しみですね(笑)。

 

 

「じゃあ始めますか」

 

「よろしくお願いします。これから始まるのは“国家百年の計”みて〜なことなんでしょ?先生」

 

「“国家百年の計”とは言い得て妙ですね。まったくその通りですよ、与太郎さん。これも大家さんの受け売りですか?」

 

「違いますよ、今朝の新聞で見たんですよ。何でも近々“ご維新”ってものがあるっていうじゃないですか。それがね、先生、この国のこの先百年先のことまで関わる大問題だからしっかりと考えてやらなくてはならね〜って、社説に書いてあったんですよ」

 

「そうですね、それこそ異人たちにこの国が占領されてしまったら、それはそれは大変なことになりますからね」

 

「そうなんですよ、こちとらかか〜と気楽に暮らせなくなったら大変なことになっちゃいやすからね(大家さんはもう年だからどうでもいいけど・・・)」

 

 

とまあ、いつの時代の話なんだか・・・、それにしても、大恩人の大家さんに対してずいぶんとひどいことを思っている与太郎さんですね(笑)。

 

 

「そうですよ、これは与太郎さんの将来にとってまさに“国家百年の計”みたいなことなんですね、それほど大切なことなんですよ」

 

「よ〜く分かりました。心して頑張りますのでよろしくお願いします!!」

 

 

・・・とまぁ〜いつになく真剣な与太郎さんです。しかし、自分のこととなるとどなたでも目の色が変わるものですが・・・

 

 

「でははじめに、質問です。どなたにでもしている質問ですよ」

 

「へい・・・」

 

「与太郎さんはお口の中の“病気”ってどんなものがあるか知ってますか?」

 

「えっ、口の中の病気ですか?え〜と、口内炎、歯槽膿漏、歯周病?あとなんですかね、他に何かありましたっけ・・・へんと〜せん?・・・」

 

「ははは~、やっぱりそうですか」

 

「何がやっぱりなんですか、先生。あっしはシロートなんですからね、そんなこと知らなくても当たり前じゃないですか、ったく(いきなり質問なんて・・・)」

 

「いやいやごめんなさい。やっぱりというのはね・・・」

 

 

と、なにやら意味深な先生ですね。

 

 

「与太郎さんが今とっても苦しんでいる“あれ”ですよ、あれ、あれです」

 

「えっ、あっしが苦しめられている“あれ”ですか?」

 

「・・・・・」

 

「まさか、むし歯ですかい?(そんなことね〜でしょ?)」

 

「ピンポ〜ン(笑)」

 

「えっ、先生、むし歯って、びょ〜きなんですか??(マジ?)」

 

「病気ですよ、病気です。立派な病気ですよ」

 

「・・・・・(知らなかったぜ・・・)ってことは先生、あっしの口の中は病気だらけってことですかい?」

 

「ピンポ〜ン(笑)」

 

「先生、からかっちゃいけませんよ、からかっちゃ〜(汗)」

 

 

そうなんです、むし歯は立派な病気なんです。みなさんご存知でしたか?私がどうしてこんな質問をするのかといいますと、この質問、つまり「むし歯は病気」と答えられない方が6〜7割はいらっしゃるからなんです。

 

いかがですか?あなたは「むし歯は病気!!」って言えるでしょうか(笑)。

 

 

では今回はこのへんで。おあとがよろしいようで(笑)。

えっ、プリベンション、なにそれ??

こんにちは!守谷市 古谷歯科医院、古谷 容です。

 

今日は待ちに待った(?)診療開始の日です。果たして与太郎さんはどんな心持ちなのでしょうか。興味ありますね。でもなにやら朝から揉めているようですよ、大丈夫かな与太郎さん、乞うご期待です(笑)。

 

 

「なんだいお前さん、ったくあれほど“今夜はやめときな”って言ったのに、こんなになるまで飲んじゃって、しようがないね〜、ホントいやんなっちゃうよ、まったく、いつもいつもこんな調子で大丈夫かねこの人は、歯の治療なんてできるのかしらね」

 

「うるせ〜な〜、静かにしてくれよ朝から、頭痛て〜んだよ」

 

「何言ってんだろうねこの人は、本当に情けないよ、昔はこんなんじゃなかったのにね、どうなっちゃったんだろうね〜、まったく」

 

「うるせ〜って言ってんだろ(イテッ)」

 

と取り付くシマもない与太郎さんです。大家さんのありがたいお話の後しばらくはおとなしくしていたのですが、日が経つにつれ、やっぱり不安がよぎるようになってきたのです。まったく仕様が無い与太郎さんですね(笑)。

 

「そんなこと言ったってあんた、忘れちゃったの、今日は先生ンとこ行くんでしょ?夕べそう言ってたじゃないですか。朝一だって云うから起こしてんのに・・・」

 

「朝一じゃね〜よ、昼一だよ」

 

 

ここんところはきちんと計算しているようですね(笑)。

 

 

「これから松の湯行ってひとっ風呂浴びてゆっくりして、それから行くんだよ」

 

「また怖くなってんじゃないのかい、お前さん」

 

 

と皮肉たっぷりの目で見られて、ますます機嫌が悪くなり、そそくさと出かけていくのでした。

 

 

「お前さんお足おあし、それに手ぬぐい!!」

 

 

なにからなにまで一人じゃできない与太郎さんでした(笑)。

 

 

「ちわ〜・・・」

 

「あっ与太郎さん、こんにちは!」

 

「・・・・」

 

「どうしたんですか与太郎さん。顔色が良くないですよ、また二日酔いですか」

 

「・・・・(図星だぜ)」

 

「大丈夫ですよ、今日は怖くないですよ(にこっ)」

 

「ホントですか、でもなんでです?」

 

「今日はプリベンションの一回目ですから」

 

「プリ??あっ、プリプリですかい?そーですね、プリプリといや〜“ダイヤモンド”もいいけどアッシはやっぱり“M”かな?でも“パパ”もいいっすよね、グッとくるし・・・(娘いないけど)」

 

「なに言ってんですか与太郎さん、違いますよ、プリンセスプリンセスのことじゃなくて、プリベンションですよプリベンション!プリベンション・プログラムのことです」

 

「じゃあなんです、そのプリベンションなにやらってのは?」

 

「予防のことです。与太郎さんのこれからの人生にとって今日がいちばん大事な日だって、先生そう言ってましたよ」

 

「歯磨きのことですかい?それならあっしはちゃんとやってますよ、毎日。それにしても人生って、ちょっと大げさじゃないっすか?」

 

「そうですよね、私もはじめはそう思ってましたけど、どうもそうじゃないみたいですよ、あっ、時間ですね、じゃあ先生の話聞いてみて下さいね、きっと面白いですよ」

 

 

プリベンションのことをプリプリと聞き違えちゃった与太郎さん、先生からどんな話を聞くのでしょう?楽しみですね。

 

 

「こんにちは!与太郎さん。また二日酔いなんですって?」

 

「または無いですよ、先生、または・・・」

 

「あははは、ごめんなさいごめんなさい。ところで与太郎さん、受付で何を話してたんですか?」

 

「いえね、なにやら今日はプリベだかなんだかで、先生からありがたいお話が聞けるって言ってました。なんでもあっしのこれからの人生にとってとっても大事なことだって、ホントですかい(一儲けの話だったらいいんだけど)」

 

「ほ〜、彼女も大したことを云うようになりましたね、立派りっぱ」

 

「感心してないで早く始めましょうよ、先生」

 

「おっと、そうでしたそうでした、じゃあ始めましょうか」

 

 

こんな感じで与太郎さんの診療が始まるようです。どうもいきなり虫歯の治療はしないようで不思議な感じですが、何か理由があるみたいですね。

 

では今日はこの辺で、おあとがよろしいようで(笑)。

いよいよですね、与太郎さん

 

こんにちは!茨城県守谷市古谷歯科医院、古谷 容です。

 

ご存知与太郎さんはデンタルドックの三回目を受け、将来の青写真を知ってしまいました。

 

とりあえず大家さんにご報告ということで、なにやらまた一杯やっているようです、本当にしょうがないですね(笑)。でもなにやらお悩みのようですよ。どうしたんでしょう。今日も長くなりそうですよ(笑)。

 

 

「まったくなんです与太郎さん、昼間っからこんな所に呼び出して」

 

「いえね大家さん、今日は祝杯でもあげようと思いまして」

 

「えっ、祝杯?何にです?」

 

 

そこへ中居さんがアツアツの二合徳利を二本持ってきました。与太郎さんは大家さんに、そして自分の猪口に注ぐと、

 

 

「アチチ、熱燗はこうじゃなきゃね、火傷しそうだぜ、じゃあ大家さん一つどうぞ、それでは乾杯ということで」

 

「与太郎さん、なにに祝杯を上げるんです?(アチチ、本当に熱いねこの燗は)」

 

「ほかでもね〜んですが、ほらあのデンタルドックってやつですよ、大家さんが教えてくれた」

 

「ほ〜、そのデンタルドックがどうしたんです?(私はちょっとぬるいのが好きなんですがね)」

 

「受けてきたんですよ、ほんで、今日がその三回目」

 

「いやぁ〜与太郎さん大したもんでしたね、三回目ですか今日が、そうでしたか、じゃぁ祝杯だ、それは良かった良かった、それにしても良く思い切りましたね、それでどうでした、結果は?先生はなんて言ってました?大丈夫って言ってました?それとも・・・」

 

「何ですかそれとも・・・って、そんなこと言ってませんでしたよ、まったく、人をおもちゃにしないでくださいよ」

 

「悪かった悪かった、別に悪気があるわけじゃないんですよ」

 

「じゃあなんです?」

 

「いや、先生なんて言ってたかなってね、それだけですよ(笑)」

 

「酒の肴はそのきびなごの唐揚げだけにしてくださいよ、まったく」

 

「はいはい、ではいただきますよ、与太郎さんもどうです熱い内に」

 

 

何とも話が本題に入らない二人です。しばらく熱いのをやりながら季節の香のものや焼いたホッケなんかをつっつきながらチビリチビリと重ねていくのでした。

 

 

「左官の熊さんが嫁をもらうのもらわないのって話で町内持ちきりですが、大家さんご存知ですか?」

 

「何いってんですか、知ってますよ、その娘さんを引き合わせたのは、この私なんですから」

 

「えっ、そうだったんですか、そりゃ、失礼しました、知りませんでした。それで結局はどんな塩梅なんです?」

 

「どんな塩梅もこんな塩梅もないんですよ。熊さんたらあ〜でもないこ〜でもないって、いつまでたっても決まらないんですよ。私も先方に早く返事をしたいんで催促はしているんですがね、困ったもんです」

 

「そうだったんですかい、それで皆やきもきして盛り上がってんですね。でも独り身が長いとね、分かっちゃいるんでしょうがどうも腰がね、お袋も抱えてるし(気持ちは分かるぜ)」

 

「と云うか与太郎さん、今日はそんな話ししに来たんじゃないんでしょ?」

 

「あっ、そうでした、ついつい話が余計な方へ行っちまって・・・そうそうデンタルドックの話でしたね、あっしとしたことが」

 

「頼みますよ、私だって暇じゃないんですから」

 

 

と云いながら中居さんに向かって“パンパン”と手をたたく大家さんでした。

 

 

「いえね大家さん、先生はね、大丈夫だって言ってくれてるんですよ」

 

「それは良かったじゃないですか、大丈夫ですよ、先生がそう言ってくださってるんでしたら」

 

「そうなんですがね・・・」

 

「どうしたんです?何か心配なことでもあるんですか?」

 

「いや、心配ってほどじゃないんですが・・・」

 

「じゃぁなんです?」

 

「あまりに口中の歯がやられてるんでね、治療が終わるのに長いことかかるんですって。それに・・・」

 

「それになんです?」

 

「それにね、お足が払いきれるかってね・・・先生んところは何でも“自由診療”とかで、保険が効かないっていうんでしょう?」

 

「あら与太郎さん、いま更何いってんです?そんな事は、はなから分かってることでしょ?分かってて診てもらったんじゃないですか。はじめにそう言ったじゃないですか、保険診療じゃないけどいいですか、って。あんたの口は他の普通の歯医者の先生じゃ手におえないんですからって、そう言いましたよ、憶えてないんですか?先のこと考えたら絶対にお得だって、私を見てくださいよ」

 

「えっ?」

 

「私もね若い時分はあなたほどじゃないけどね、ずいぶんと遊んでたもんですよ、それでねお決まりのように歯も悪くてね、えらく苦労したんです」

 

「へ〜知りませんでしたよ、そんなこと」

 

「そうですか」

 

「それでどうしたんです?」

 

「それでね、縁があったんでしょうね、先生に出会ってね、それこそデンタルドックですよデンタルドック。それから口中治療して、そうですね、終わってからもう20年は経ってますよ。メンテナンスにはおじゃましてますけれどね」

 

「そうだったんですか・・・20年ですか、20年なんともないんですか?」

 

「なんともないですよ、いいですか与太郎さん、人の口はね、健康を取り戻してね、そしてそれを維持して行くためにね、きちんとした治療とその後の管理を受けるだけの価値があるんです。つまり質の高いCureと心のこもったCareね(受け売りだけどちょっと難しいかな?)。分かりますか?だってそうでしょ?与太郎さん言ってたじゃないですか。歯の具合が悪いんでおまんまが上手く食えないって、歯が沁みたり痛かったりで仕事にも障りが出て親方に怒られるって、かみさんにもうるさいって言われるって、与太郎さんそう言ってたじゃないですか。よ〜く考えてみてくださいよ、もしね、今回先生に治療してもらってあなたの歯がね、快調になってスッキリしてね、おまんまがなんてことなくいただけるようになって、仕事もガンガンこなせて、親方に褒められてね、仕事をどんどん回してくれて、お給金も増えるってことになるんじゃないですか、だってあなた、腕はピカイチなんですから、親方この間そう言ってましたよ、もったいね〜んだって」

 

「・・・・」

 

「なにかお言いなさいな」

 

「確かにそうですね、そうか、歯が良くなって、歯のことなんかに煩わせられることがなくなって、体調も良くなり、仕事ががんがんできるようになるってことですね、大家さん?そうすれば昔みたいに稼げるって寸法ですね?」

 

「そうですよ、それにそれだけじゃないですよ、おまけもありますよ、おまけが(笑)」

 

「おまけですか?」

 

「そうですよ、何よりみねちゃんが喜びますよ」

 

「女房がですか?なんでかか〜が喜ぶんです?」

 

「そりゃあそうですよ、考えてもみなさいな、いいですか、ちょっと前まではね、与太郎っていやぁ、この界隈じゃ一番の腕効きですよ。その腕利きがね、その腕でバリバリ働いてね、しっかりとお給金を稼いできたのに、どうですか、今となっては、歯がどうのこうのと言ってばかりで、せっかく作ったおまんまも食べてもらえなくてね、酒ばっかり飲んでグダグダ言って、仕事も今は昔ってことじゃぁ、みねちゃんも機嫌が悪くなって当然じゃないですか、与太郎さん!どうなんです?そろそろ子どもだって欲しいと思ってるんじゃないですか、みねちゃんは、違いますか?(まったく何も分かってないんだから・・・)」

 

「・・・・・」

 

 

大家さんのありがたいお説教にぐうの音も出ない与太郎さんでしたが、“それもそうだな、確かに大家さんの云う通りだな、さすが大家さんだぜ”って思い始めたようです。こんなオレのためにこんなに一所懸命話してくれて、心配してくれて、女房のことまでね。ありがたいことだな。“オレは幸せ者だ”と少ししんみりとしてきた与太郎さんでした。そして、

 

 

「その通りです、大家さん、弱気なこと言って申し訳ありませんでした。本当に背中を押してくれてありがとうございます」

 

と言おうとして顔を上げ、大家さんの顔を見た与太郎さんは、口をあんぐり開けてしまいました。なんと大家さんは猪口を片手に寝ているではありませんか。

 

“昼間っから少し飲みすぎたのかな?今日はオレが払うか、まっ、それもいいか、たまにはな、いつもごちになってるしな。それに今日はありがたい話しも聞けたし・・・籠でも呼んでやるか・・・それにしても大家さんも口中治療してたとはな・・・”

 

パンパン

 

「おねえさん、勘定たのむよ、それと籠もな、急いでくんな、たのむよ!」

 

 

“今日はまだ早いし明るいけど、家に帰〜るか。大家さんの話ももっともだし、それにあの真剣さにちょっとじ〜んと来ちゃったしな。ありがたいことだな、本当に。帰〜って女房に今日の事を話してみるか「歯を治してまた昔みて〜にガンガン仕事もするし、おめ〜の作ってくれたうまい飯も食えるようになる」ってな、言ってみようかな、喜ぶかな?それに子どもの話もな・・・”

 

 

ってな感じで与太郎さんは、大家さんの後押しもあり、お口の健康を手に入れるための第一歩を踏み出し、いよいよ治療に入るようです。酔った勢いではないことを祈っていますが(笑)。

 

では、本日はこの辺で失礼致します。今回も長くなりまして、恐縮しています。ここまで読んで頂けた方、本当に有難うございます。よっぽど暇で、奇特な人もいたものですね、あっ失礼いたしました(笑)。

 

おあとがよろしいようで!

 

 

 

 

今回は久しぶりに”トゥレット症候群”についてです。

こんにちは! 守谷市古谷歯科医院 古谷 容(いるる)です。

 

今回は、久しぶりにトゥレット症候群の話です。

 

昨年(平成16年)の5月に大阪で開かれた、第一回トゥレット症候群治療推進学会に参加して以来、仕事に対する考えが少し変わってきた気がします。もちろん良い方へですが(笑)。

 

 

不勉強の極みですが、我々の仕事はどうしても近視眼的になりがちです。専門性を強く持っている者は特にそうなります。逆に言えば、そうならなければ専門性を深く追求することが出来ないからです。

 

勢い“他の分野のことは分からない“ということになります。

 

脳外科の専門医は花粉症の治療はしませんね。その逆にアレルギー専門医は脳腫瘍のオペはしないのです。どちらがどうという事ではなく、専門性が違うからです。

 

私は“補綴(ほてつ)”と云う分野の専門医です。

 

ですので、噛み合わせを整え、冠(クラウン)、架橋義歯(ブリッジ)そして義歯(入れ歯)などを用いての“咬合再構成”を主に治療の対象としています。

 

ですから“それ以外は分からない”のです。

 

困ったものです(笑)。

 

 

前振りが長くなりました。

 

こんな私の目の前に、突然トゥレット症候群で日々苦しんでおられる患者さんとそのご家族が現れるようになったのです。

 

学会に参加してまだ一年も経っていないのにです。しかもいくら補綴が専門でスプリント治療は毎日のように行っているとは云え、トゥレットに関しては、極めて“専門外”(汗)。

 

まして患者さんは、いわゆる“藁をも掴む”心境でおいでになっています。

 

「困った!これはマズイことになったぞ!」

 

正直な気持ちです。私に治療できるのだろうか?役に立てるのだろうか?でも目の前に困っている患者さんが・・・。

 

 

患者さんを始めご家族は、

“今日の症状、今日の生活”それにもまして“今の症状、今の生活”を

「なんとかして欲しいんです、少しでもいいんです。チックが減れば本当に助かります。薬はたくさん飲んでいます。飲ませたくないんです、本当は・・・」と訴えます。正直なお気持ちでしょう。

 

「え〜い、60の手習いだ、なんとかなるだろう。ダメ元でやってみよう!」

 

失礼な話です、極めて失礼な話です。でも、実際こんな気持です。

 

“義を見て為さざれば、勇なきなり”でしたっけ(笑)。

 

それでも幸いなことに、まだ数名の患者さんですが、スプリント治療で確かにチック(運動チックや音声チック)が減るのです。

 

不思議です(無責任ですが・・・)。

 

私がそう思っても仕方ないのです。なぜならトゥレット症候群へのスプリント治療に関する研究、まして教科書など無いからです(言い訳ですね)。

 

ですから私たち“トゥレット・フロンティア・ジャパン”のメンバーは手探りの状態ですが、結果を出そうと、少しでも患者さんの苦痛を和らげられればと勉強しているのです。

 

今のところこんな感じです。いかがでしょうか。少しはお役に立てているようです。

 

頼りない“藁”ですが(笑)。

 

 

というわけで、仕事に対する見方・考え方が少し広がったような、そんな感じがしている、今日この頃です。

 

 

最後に、ある12歳の患者さんからこんな言葉を教わりました。

「挑戦すれば失敗もある、でも挑戦しなければ成功もない」い」

 

では、おあとがよろしいようで!

えっ、ホント?!

えっ、ホント?!

 

「ててて、て〜変だ〜!!」

 

「おやおやどうしたんです与太郎さん、そんなに慌てて、何がそんなに大変なんです?」

 

「何がて〜変って・・・は〜は〜ぜ〜ぜ〜(汗)」

 

「まあまあそんなところに突っ立ってないでこっちへ来て座んなさいな。肩で息しちゃって。婆さんや与太郎さんにお水を一杯持ってきておくれ」

 

「はいはい、与太郎さんど〜ぞ」

 

「は〜〜、一心地着きました、おかみさんありがとうございました」

 

「落ち着きましたか?」

 

「へい」

 

「ところで何があったんです?」

 

「それがですね、大家さん、これが驚かずにいられますかってんですよ」

 

「だからどうしたんです?いじれったいねまったく、この人は!」

 

「そそそ、そんな怒らないでくださいよ、大家さん、いえね、こういうことなんですよ」

 

「だからなんなんです?」

 

「じつは、先生がね」

 

「えっ、先生って、歯医者の先生かい?横丁の・・・あ〜たがお世話になっている?」

 

「そうです、へい」

 

「その歯医者の先生がどうしたって云うんです」

 

「なんでもですね、先生がなにやら“本”を書いてるってんですよ」

 

「えっ、本を??あの先生が?冗談でしょ?いやそれは何かの間違いだ!あの横着で面倒くさがりの先生が“本”を書くなんて、そんなことするわけがない(キッパリ)」

 

「いや間違いじゃあないんですよ大家さん(ったく疑り深いんだから)」

 

「あらそれホントみたいですよ、お爺さん」

 

「なんだい婆さん、なんでそんなこと、あ〜たが知っているんです?」

 

「いえね、この間メンテナンスでお世話になった時にね、なにやらそんな話を聞いたような気がするんですよ」

 

「ほ〜それじゃあ、本当かも知れませんね(ある意味納得)」

 

「本当かも知れませんねじゃあないですよ、大家さん」

 

「なんです?」

 

「だってそんな悲しいじゃあないですか、あっしのこと全く信用してないってことですかい?」

 

「いやいやそんなことありませんよ。ははは!」

 

「ははは!じゃないですよ、まったく!」

 

「悪かった悪かった、まあ、そんな怒りなさんな」

 

「・・・・・」

 

「ところで先生が書いてるというのはどんな本なんです?」

 

「詳しいことはあっしにはよく分からね〜んですがね、なんでも、今まで先生が一所懸命にね、いろんな偉い先生たちから教わってきたことを、あっしらみて〜なもんにもよく分かるように、噛み砕いてよ〜く分かるように書きたいってことみたいなんですよ、聞くところによると」

 

「ほ〜、じゃあなにかい?先生が習ってきた難しい学問の話をお前さんみたいなお脳がチョット足りないよ〜なお人にも分かるようにってことですか?」

 

「お脳が足りないってどういうことですか大家さん!事によっちゃあいくら大家さんでも勘弁できね〜ってことになりますよ!」

 

「あっ、すまんすまん、チョット口が滑ってしまいました、勘弁してください、謝ります、この通りだ」

 

「ったく、折角、いの一番にと思って大家さんとこに駆けつけたのに(怒)」

 

「すいませんね、与太郎さん、この人は昔っからこんな調子でね、あたしだから別れないでいてあげてるってこと、分かってないんですから」

 

「おいおい婆さん、何てことを言い出すんですかねこの人は、そんなこと言ってると事によっちゃ・・・」

 

「事によっちゃぁ何ですか、お爺さん」

 

「まあまあご両人、今日のところはこのあっしに免じて仲直りしてくださいな(いい年して恥ずかしかないのかね、勘弁してほしいぜ、ったく)」

 

 

 

とまあ、なにやら雲行きが怪しくなってきた大家さんちの縁側でした(笑)。

 

 

“自分の歯で生涯を暮らす“などと云うことは、多くの人が「とてもそんなことはできなさそう」と思っていらっしゃいます。しかし、実はそう難しいことではないこと、どんなにむし歯や歯周病がひどくてもなんとかなること、まして歯が全部なくなっていても大丈夫なこと等々・・・伝えたい。

 

お口のことで悩んだり困っていたりしている方々、そして「どこへ行ってどんな先生の治療を受けても治らないんです。もう半年以上も根の治療してるんです」あるいは「インプラントがいいって勧められるままやったのはいいんですけど、どんどん噛めなくなるんです」等と心底困っているいわゆる“歯医者難民”と云われている方々にも、是非安心してもらいたい。「大丈夫だよ」と伝えたい。

 

自分の口の将来に対するいわれのない“不安”を抱えていらっしゃる多くの方々にも「全然大丈夫だよ、こんな方法があるよ」と伝えたい。

 

「えっ、ホント?」なんて思っているあなたにも「本当だよ」と伝えましょう。

 

 

まっ、どんな内容になるのかについては、“乞うご期待”と云うことで。

 

しかしホントにできるのかな〜〜?大家さんの言う通りにならないように頑張りま〜す(笑)。期待しないで待ってって下さいね。

 

そろそろ、おあとがよろしいようで(笑)。

いよいよ今日です、果たして与太郎さんの運命やいかに(笑)

こんにちは!守谷市古谷歯科医院 古谷 容です。皆さんご機嫌はいかがですか。

大寒も過ぎ最近寒さも一段と厳しくなってきました。朝方には霜も降り厚手のジャケットが離せなくなりましたね。風邪などひかないよう暖かくしてお過ごし下さい。

 

 

とかなんとか云っている内に、いよいよ今回はデンタルドックの三回目です。「どんなふうにすれば先が見えてくるのか、歯のことで悩まなく生活できるのか」を聞けるのかと思うと、期待半分・不安半分の与太郎さんでした。

 

 

「こんにちは、与太郎さん」

 

「先生、どうもお世話になります」

 

「どうしたんですか、なんだか元気がないですね」

 

「そりゃそうですよ先生、だって、どんなこと言われるんだか、心配で心配でおちおち・・・」

 

「寝られなかったんですか?」

 

「そそそ、そんなことないっすよ、ったく先生も意地悪なんだから」

 

「ごめんなさい、だってあんまり緊張してるんで(笑)」

 

「・・・」

 

「大丈夫ですって言ったじゃないですか、このあいだ」

 

「そうですけど、ちゃんと聞くまでは・・・」

 

「そうですよね、皆さんそうです、心配ですよね、でもくどいですが、大丈夫ですよ(キッパリ)」

 

「ホントですか?本当に大丈夫なんですか?」

 

「疑り深いですね与太郎さんは。じゃあこれを見ながらお話しますね」

 

 

と云いながら先生は、“検査結果報告書”なる冊子を出しました。そこには与太郎さんのお口の様子が丁寧に書かれていて、ひと目ですべて分かるようになっていました。

 

 

「先生、今までこんなもの見たことがありませんよ(驚)」

 

「そうですか、でも与太郎さんに理解してもらうためには必要なんですよ。何と云っても与太郎さんに現状を分かってもらうことが治療の第一歩なんですから」

 

「へ〜、ありがたいこってすネ(ちょっと安心かも)」

 

 

ページをめくると、最初にお口の様子の全体像、むし歯について、歯ぐきについてそして最後に噛み合わせについて平易に書かれてありました。

 

 

最後まで話を聞いた与太郎さんは、

 

「先生、よ〜く分かりました。あっしの口の酷さがよ〜く分かりましたよ。じゃあ先生、これからあっしはどうすればいいんですかい?」

 

「ああまあそう慌てないで下さい。これからのことについては今からお話しますからね」

 

 

先生は、与太郎さんのお口の写真を大きく印刷した紙になにやら色々書き始めました。

 

 

「先生それは何です?」

 

「一本一本の歯に、どういう治療をするのかについて書いてるんです。チョット待ってって下さいね」

 

「へぃ」

 

と、私傷な与太郎さんです。

 

「じゃあこの歯から始めますね。この歯はね、なんとかなりそうですよ。先ず、ここに詰めてある古い詰め物を外します。おそらく中にはすっ〜ごい虫歯がありますよ。歯の写真やレントゲンにも写ってましたでしょう?」

 

「へぇ、確かにそうでした・・・けど、外した後はどうするんです?外しっぱなしじゃないですよね?」」

 

「当たり前じゃないですか。外したら中が良〜く見えるでしょ?そしたらね、ラバーダムをして顕微鏡を見ながらむし歯をね、徹底的に取るんです」

 

「ラバーダム?顕微鏡?なんですそれは?」

 

「詳しい話は、治療が始まったらお話ししますね。今日のところは時間の関係で・・・」

 

「分かりましたよ。それでその後はどうなるんですか?」

 

「むし歯を綺麗サッパリ取り終わったら、消毒をしてきれいな薬を詰めて終わりです。で、この歯は終りですよ」

 

「へ〜、この歯は一回で終わりですか、嬉しいっす」

 

「良かったですね。でもね、隣のこの歯はちょっと厄介ですよ・・・」

 

 

と、先生は一本一本の歯について詳しく治療法を解説していきました。そして歯ぐきや噛み合わせについても話してくれました。

そうこうしている内に、与太郎さんの表情が変わってきました。

不安でいっぱいだった気持ちが少しずつほぐれ、先が見えてきたというか安心してきたというか、そんな風な明るい表情になって行ったのです。

 

治療費の見積もりを手にした彼は、

「予想よりチョット高めだけど、先生、一所懸命働いてそんでもって通いますから、あっしの口よろしくお願いします!なにしろ一生の話ですからね!」

 

と、晴れやかな笑顔で帰っていきました。

 

「あ〜スッキリした。もっと早く診てもらえば良かったぜ。今日はお祝いだから大家さんでも誘って人形町の“玉ひで“にでもくり出そうかな(ウキウキ)」

 

相変わらず懲りない与太郎さんではありました(笑)。

 

 

解説

このように三回のデンタルドックは終わりました。これで与太郎さんのお口の復旧計画の青写真が出来たわけです。あとは計画に則って少しずつ治療を進めて行けば良いのです。

 

日本の一般的な治療法は、ご存知のように一本の歯単位(一歯単位)です。このようなその場限りの質の低い、緊急処置や応急処置のような治療を永く受けていますと、長期にわたるお口の健康を手に入れることはできません。しかし、今回のように、お口全体を考慮したアプローチ(一口腔単位)なら、「生涯自分の歯で健康的に暮らしたい」「歯のことで悩まない生活をしたい」そして「きれいな笑顔で歯を気にせず大きな口で笑いたい」等の“夢”は格段に叶いやすくなります。

 

いかがですか、ご自分のお口の“将来”に不安がお有りの方、試しに一度デンタルドック、受けてみませんか?不安が解消すること請け合いですよ(笑)。

 

では、おあとがよろしいようで!!

ゲッ、これあっしの“歯ですかい?”ホント?

こんにちは!守谷市古谷歯科医院 古谷 容です。皆さんご機嫌はいかがでしょうか。

やっとの思いでデンタルドックの一回目を受けた与太郎さん。今日はデンタルドックの二回目、“共同診査”の日です。

さてさて、どんなことになるのでしょう(笑)。

 

 

「ウッ、・・・・・・・・・・(絶句)」

 

「与太郎さん、与太郎さん、起きてますか?」

 

 

与太郎さんは、画面に大きく映しだされた自分の歯をジーっと見つめたまま固まっています。

 

 

「起きてますよ。起きてますけど・・・」

 

「起きてますけど、なんです?」

 

「これホントに、あっしの歯ですかい、先生?何かの間違いですよね、これ?誰か別のお人の歯ですよね?」

 

「なにを言ってるんですか与太郎さん、正真正銘あなたの歯ですよ。このあいだ撮った写真ですよ、間違いありませんよ(キッパリ)」

 

「・・・・・・・・・・(汗)」

 

「まだ疑ってるんですか?」

 

「そうじゃあね〜ですが、疑ってるわけじゃね〜んですが、あんまりじゃぁないですかこれは・・・」

 

「ほ〜」

 

「ほ〜って先生、他人事ですね、ったく」

 

「いやいやそう訳じゃないんですよ」

 

「じゃぁなんです?」

 

「与太郎さんはこの写真を見て、どんなふうに感じたのかなと思いましてね」

 

「どんなふうにったって、こりゃあひどいってことくらいあっしにだって分かりますよ、一目瞭然ってやつですよ。抜けてるところがあるし、欠けてる歯もあるし、穴はあいてるしで、いいとこなしじゃぁないですか」

 

「ほ〜」

 

「また、ほ〜ですかい」

 

「いや、与太郎さん、良く分かりましたね」

 

「・・・」

 

「ここのところが大事なんですよ」

 

「・・・・・」

 

「どういうことかと云いいますと、今日まで与太郎さんは自分の歯をべろ触りとか噛みにくさや痛さ、臭いなんかで感じていましたよね。それが今は他人の目で見ているのですよ。第三者の目でね」

 

「云うところの“客観的”ってやつですかい?」

 

「えっ、凄いじゃぁないですか、そんな難しい言葉、誰に教わったんです?」

 

「へへへ、大家さんです」

 

「だと思いましたよ(笑)」

 

 

ってな感じで、与太郎さんは自分の歯を客観的に見ることが出来ました。この後、歯ぐきについてはそんなに悪くないことが分かり、一安心。またレントゲン写真では、またまた“ため息とチョット安心”の連続。噛み合わせは、引っ掛かりがあり筋肉にもコリが溜まっているとのことで、修正が必要なこと等々、いろいろあぶり出しのように見えてくるのでした。

 

「やっぱり“成人後期”かな〜?」

 

 

解説

「客観的に自分の歯を見る」・・・、今までしたことのない経験を通して与太郎さんは自分の口に対する理解を深める事ができました。現状の認識こそ何を始めるにしてもいちばん大切なことなのです。そして、与太郎さんの将来にとって、とても貴重な時間となったことでしょう。

 

「将来?」・・・そうなのです、明日とか来年の話ではないのです。

 

「一度お口全体をきれいにして、それを大切にメンテナンスしながら使い続け、気がついたら10年20年経っていた」と云う壮大な作戦なのです。

 

いかがですか、あなたの将来に備えるための第一歩、デンタルドックを受けてみませんか?ためになること、請け合いですよ(笑)。

いよいよ本番だぜ デンタルドック(笑)

こんにちは!守谷市古谷歯科医院 古谷 容です。

おかみさんに火打ち石で送り出してもらった与太郎さんは、その後どうなったのでしょうか?無事に先生の所へ行けたでしょうか?

 

「火打ち石はね〜よな、ったく、心配症だぜうちのかみさんも・・・」

 

・・・なんてブツブツ言っているうちにとうとう先生のところに着いてしまいました。

 

「ちわ〜」

 

「あっ与太郎さんですね、お待ちしていました」

 

「デデデ、デンタルドックなんですが・・・」

 

「そうですね、どうぞお入り下さい」

 

というわけで、ついに与太郎さんはまな板の鯉になったのでした(笑)。

 

 

「では始めていいですか?その前にデンタルドックについてちょっとお話しますね」

 

「へい」

 

「デンタルドックは3回かけてやりますよ」

 

「へ〜、3回もかかるんですか」

 

「与太郎さん、3回もかかるんじゃなくて、かけるんですよ」

 

「ほ〜、じゃあよっぽど詳しくやるんですね?」

 

「そうですよ、一回目はね、与太郎さんの情報を集めます」

 

「なんです、そのジョーホーってのは?」

 

「それはですね、与太郎さんのお口の中の様子を知りたいってことなんです」

 

「じゃあなにをどうやるってんですかい?」

 

「先ず歯の写真を撮ります。レントゲンも撮ります。あと歯ぐき。歯周病の検査ですね。最後にとっても大切な噛みあわせも調べさせて下さいね」

 

「それじゃあ今日は大変じゃね〜ですか」

 

「いえいえそんなことはないですよ」

 

「えっ?」

 

「与太郎さんはただお口を開けていればいいんですから・・・(笑)」

 

「は〜」

 

「で、二回目は“共同審査”というのをやります」

 

「なんですかその共同なんとかっていうのは?」

 

「今日集めた与太郎さんの情報、歯の写真とかレントゲン写真とかがね、今はデジタルですからこの画面に簡単に乗るんです。それを見ながら問題点があれば二人で見つけていくという時間なんです。これはパンキー先生が考えだしたやり方で、患者さんが自分のお口に対する理解を深めるために必要不可欠なのです」

 

「へ〜、そりゃあ凄いですね。あっしは自分の口がどうなってるのか正直いってよく分かってないんです、実際。なんか、ここの歯が無くなってるとか、ここの歯が欠けて滲みるとか、ここから変な匂いがするとか・・・」

 

「そうでしょう、皆さんそうなんです。だって患者さんですから」

 

「えっ!みんなそうなんですか?あっしだけじゃないんですか?」

 

「そうですよ、だからデンタルドックが必要なんです。自分のお口を第三者の目で見ることが必要なんです(客観的にね)」

 

「ほ〜〜(いいこと言うね、この人は、納得かも)」

 

「どうです、いい感じでしょ?」

 

「確かに・・・、じゃあ三回目は何をするんです?」

 

「三回目はね、与太郎さんのデータを元にして、先ずは現状を改善して、快適に食事ができ快調に笑って暮らせるためにどうしたら良いかを考えますよ」

 

「へ〜そりゃぁ、ありがたいこってす」

 

「それだけじゃないですよ」

 

「えっまだあるんですか?」

 

「今回の治療で、ゲット出来た健康なお口を、生涯維持できるためにどうしたら良いかも提案します」

 

「ゲット、、、(ポケモンじゃね〜し)」

 

「それに、この歯はこういう治療、この歯はこうすると云った具体的な方針もお話します。最終的にはこうなりますよ、と云った将来の青写真も提案しますよ」

 

「へ〜、そこまで面倒見てくれるんですか・・・(安心かも)ところで青写真ってなんです?」

 

「与太郎さんだって仕事で使ってるじゃないですか。図面のことですよ、設計図のことですよ」

 

「へ〜、設計図ですか、そう云や、今までの治療は行き当たりばったりで将来のことなんか全然話にも出ませんでしたよ」

 

「そうですね、でもそれが普通なんですよ。今の日本じゃね。じゃあ始めましょうか」

 

 

ってなわけで、先生は与太郎さんのお口の隅から隅まで詳しく調べたのでした。

 

 

「やっぱり“成人後期”なのかな〜、トホホ」

 

 

解説

患者さんという立場の人は、自分の口に関してはいわゆる“主観的”な情報しか持ち合わせていません。

与太郎さんが言っていたようにです。

その“主観的”ないわゆる“感じ”を第三者の目で見ることによって、より具体的で“客観的”な“現状”として認識していただく。

そして将来の健康的な生活、「歯のことで悩んだり嫌な思いをしなくてもすむ生活が、チョット頑張れば手に入れることができるんだ」と思っていただく。安心していただく。

デンタルドックはこんな目的もあるのです。調べるだけじゃないんですね。

いかがですか、あなたも与太郎さんを見習って“デンタルドック”受けてみませんか?

 

なんか、うまくいくような気になってきたでしょう(笑)。

 

では、この続きは又の機会に。

続々、デンタルドック、なにそれ?

こんにちは!守谷市古谷歯科医院 古谷 容です。いよいよ今日は与太郎さんが“デンタルドック”を受ける日です。でもなんだか様子が・・・。

 

それでは“落語de勉強”はじまりはじまり〜。

 

明日のことが心配で心配で、寝付きが悪かった与太郎さんは、ついつい飲み過ぎてしまったようです。

 

「あたたた、頭痛て〜(涙)ったくなんて天気だ、お天道さまも意地悪だね、どうも、眩しくて目も開けられないぜ(トホホ、安い酒はダメだね)この間、先生のところから帰〜る時にはなんともいい心持ちだったのが、やっぱり嫌なもんだね(ブツブツ)」

 

と、まったく元気が無い与太郎さんが往来を歩いていますと、向こうから見知ったお人が・・・。

 

「あっ、やだね、大家さんだ、会いたくね〜」

 

と脇へ入ろうとしたその時、

 

「おやっ、与太さんじゃないか、どうしたんですかそんな青い顔して・・・」

 

とは、やっぱり大家さんでした。

 

「あっ大家さん。お早うございます」

 

「おはようございます、じゃあないですよ、なんです朝からフラフラしちゃって、まるで、うらなり瓢箪じゃないですか!」

 

「うらなりはひで〜じゃないですか」

 

「うらなりだからうらなりって言ってんですよ、それにしてもど〜したんです?」

 

「大家さんだけには話したくないです・・・」

 

「何言ってんですかね、この人は、ったく、おおかた夕べ飲み過ぎたんでしょ?あれ、ちょっと待って下さいよ。今日は先生ん所へ行く日じゃないですか、この間元気にそう言ってましたよね?」

 

「・・・・」

 

「はは〜、どうやら怖気づきましたね(笑)それで眠れなくて飲んじゃったんですね?」

 

「・・・・・」

 

「図星ですね(笑)」

 

「面目(めんぼく)ないです」

 

「で、これからどこへ行くんです?こんな早くに」

 

「イエね、そこの松の湯でひとっ風呂浴びてすっきりしよ〜ってことなんですよ。そんで飯でも食って元気つけて、それから・・・」

 

「それから、なんです?」

 

「意地が悪いな大家さんは。先生んとこへ行くんですよ」

 

「ほ〜、それはいい心がけですね。いいことありますよ、きっと」

 

「大家さんも人が悪いや、からかっちゃぁいけませんよ」

 

とまぁこんなわけで、与太郎さんは朝湯をし、アルコールが抜けたところで、ご飯を食べて「さあ」ということで先生のところへと向かうのでした。

 

カチッ!カチッ!

 

「なにやってんだよお前、火打ち石なんか打ちやがって・・・(平次親分みて〜じゃね〜か)」

 

「なにやってんだよじゃありませんよ、そんなに青い顔して出かけようとするもんだから、縁起でもないことが起こっちゃいけないってんで、心配してやってるんじゃありませんか」

 

「おおお、お前、そんなに俺のことを・・・(涙)」

 

「朝から馬鹿なこと言ってるんじゃありませんよ。ところでお前さん、これから行くとこはそんなに恐ろしいところなのかい?」

 

「・・・・・」

 

 

とまあ、朝から大騒ぎの与太郎さんです。

 

いかがでしたか、患者さんである与太郎さん気持ちの変化が分かって頂けたでしょうか(笑)。

では、ちょうど時間となりましたので、この続きは又の機会ということに致しましょう。おあとがよろしいようで。

 

次回は、与太郎さんが実際にデンタルドックを受けるようです。お楽しみに!!

 

 

解説

多くの患者さんが“歯医者”へ行くということは、決してお気楽なことではなく、一大決心で、しかも初めての歯科医院の場合は“清水の舞台”から飛び下りるくらいな気持ちなのではないでしょうか。

 

決して与太郎さんを笑えませんね(笑)。

 

そういう患者さんをお迎えする我々は、パンキー先生や川村先生から“As a guest”という言葉を教えられます。

 

“お客様をお迎えするように”・・・とでも云うことなのでしょうか。

 

では実際にはどのようなことでしょう。

 

 

例えばですが、想像してみてください。

 

あなたのお宅に初めてのお客さんをお迎えする日です。

 

お部屋を片付けたり、玄関まわりを掃除したり、お花を生けてみたり。最初にどんなことを話そうかとか・・・、目に浮かびますね。

 

患者さんを、特に初めての方をお迎えする場合は、そのようにしなさい、と教わります。

 

いかがでしょうか。私たちはそのような温かい雰囲気の歯科医院を目指しています。

 

きっと、今までとは違う ”Dental Experience” を味わえること、請け合いですよ(笑)。

続 デンタルドック?なにそれ?

こんにちは!守谷市 古谷歯科医院 古谷 容です。

 

今回は前回の”デンタルドック、なにそれ?”の続きです。

 

なにやら与太郎さんは思い切って先生の所へ行ったみたいですよ。さてさて、どうなりましたか・・・。

 

「あ〜〜、緊張する。ったくこれだから歯医者は嫌れ〜だっての(ため息)」

 

いつもの元気はどこへやら、与太郎さんは、足取り重く古谷歯科医院の玄関前にたどり着き、また一つ大きなため息をつくのでした。

 

「ど〜しよ〜かな、腹が痛くなったって言って帰っちゃおうかな?いやいやそれじゃ大家さんに何言われるか分かんないしな・・・(あーでもない、こーでもない)」

 

それでも与太郎さんは、勇気を振り絞り重いドアを開けたのでした。

 

「こんにちは!!与太郎さんですね?大家さんから伺っていますよ、場所、分かりました?」

 

予想外に明るいお姉さんの一言にふ〜っと肩の力が抜ける与太郎さんでした。

 

「ははは、はいっ、与太郎です!」

 

「だいぶお困りのようですね、お痛みのところはありますか?」

 

「あああっ、ありません!」

 

「そうですか、それではゆっくりお話しできますね、良かったですね」

 

今までの歯科医院とはぜんぜん違う対応に、戸惑いを隠せない与太郎さんでした。

 

「は〜、そうですか。ありがとうございます」

 

なんだか少しづつムフムフと笑みがこぼれてくる与太郎さんでした。

 

「与太郎さん、どうぞお入り下さい」

 

「へい(でもやっぱり、緊張)」

 

「こんにちは!古谷です。大家さんから宜しくって言われてますよ。なにやらだいぶひどいって落ち込んでるようですね」

 

「へい、そうなんです。なんでも“成人後期“だなんて大家さんが言うもんですからね、あっしはこれからどうなっちゃうんだろうって、その内ひで〜事になるんじゃないかって、それを考えると、心配で心配で・・・」

 

「そうですか、与太郎さんはこれから先のことが心配なんですね?」

 

「そりゃそうですよ、先生。だってね、何本もむし歯で歯がかけたり抜けたりして、そいでもって、痛んだり滲みたりで、おまんまも上手くいただけないし、仕事にも障るんで本当に困ってるんです・・・」

 

「そうですか。与太郎さんは歯のことでとても困っているんですね?」

 

「そうなんです。だって四六時中口のことが気になって気になってね、親方にも、まだ終わらね〜のかとか、明日も休みかとか、かみさんにはうるさいとかなんとか言われるしで、なんだか歯のことでこんなに障りが出るとは思ってませんでしたよ、ったく。なんとかなりませんか、先生?」

 

「それはたいへんですね」

 

「人ごとじゃあねぇ〜ですよ、先生。それにね、あっ違った、それにですね・・・」

 

「いいですよ与太郎さん、それにねで(笑)」

 

「すいません、じゃあ、それにね、先生、あっしはね、今のことは仕方がねぇ〜としてもね、だってそうじゃあねぇ〜ですか、今までの不養生が原因なんですからね。問題はこれから先のことだと思うんですよ」

 

「どういうことですか?」

 

「いやね、大家さんなんかね、失礼ですけど、あの歳であんなに綺麗な歯でね、快調に暮らしてなさるじゃあねぇ〜ですか(悔しいったらありゃしない)」

 

「ほ〜」

 

「あっしはね、先生、これから先ね、大家さんみてぇ〜には行かないまでもね、歯のことなんか気にしねぇ〜で暮らしてぇ〜って、そう思うんですよ、どうです先生、無理な相談ですかい?」

 

「そうですか、与太郎さんはこれから先、口のことを気にしないで暮らして行きたいって、そう思ってるんですね?」

 

「そうなんですよ、先生!なんかうまい方はねぇ〜んですかい?」

 

「うまい方法ね・・・。ないことはないですけど・・・」

 

「え〜い、まどろっこしいな、先生、大家さんじゃあねぇ〜んですから」

 

「なんです、それは?」

 

「いやいやなんでもねぇ〜です・・・」

 

「私は大家さんほどの歳じゃないですよ(笑)」

 

「・・・・・」

 

 

  • ・・とまあ、一回目のアポはこんな感じでした。現在は痛むところもなかったので、先生は与太郎さんの思いを全て話してもらったのでした。話しているうちに与太郎さんは、なんだか少しずつ気持ちが軽くなっていくような、不思議気持ちになっていきました。

 

「なんだかちょっと心持ちが軽くなったかな?へんだね、なんにもしてもらってねぇ〜のにな(不思議ふしぎ)」

 

と、自分でも釈然としない、与太郎さん。

 

先生との話しのあと、次回の予約をとって気分よく帰る与太郎さんでした。気持ちがとても軽くなった与太郎さんは、あれこれと思いを巡らせながら、

 

 

「今日はどこで一杯、ひっかけるかな〜(ウキウキ)」

 

ってな調子で、さっきまでのド緊張はどこへやら、足取りも軽く、

 

「あっそうだ、大家さんに報告しなくちゃ・・・」

 

とiPhoneを取り出すのでした。

 

 

とまぁ本日のお話しはこの辺で。

おあとがよろしいようで、ではこの続きは次回のお楽しみ!

 

 

解説

皆さんお気づきでしょうが、与太郎さんは何もしてもらっていないのに、

 

「なんだかちょっと心持ちが軽くなったかな?へんだね、なんにもしてもらってねぇ〜のにな(不思議ふしぎ)」

 

と言っています。不思議ですね?どうしたことでしょう?

 

そうですね、あなたにも今日の与太郎さんのような経験があるのではないでしょうか?あなたが困っていることや悩んでいることを親身になって聴いてくれた家族や先輩、そしてお友達・・・、うなずきながら相槌を交えて、思いっきり話させてくれ、聴いてくれた・・・、嬉しいですよね、解決策は見つからなかったけれど、不思議と気持ちがスーッと軽くなったような、そんな経験、どなたでも一度や二度はあるでしょう。「また一歩踏み出そう!」って思いませんでしたか?

 

私たちは、本当に困っている方や、生涯自分の歯で暮らしたいと強く思っていらっしゃる方の応援団(今どきはサポーター?)でありたいと考えています。

 

今日は「お口の健康を手に入れる」ための、その第一歩を踏み出した与太郎さんにとっての記念日になりそうですね。

 

まあ、今回も長くなりましたので、この辺で終わりにいたしましょう(笑)。

 

では、又の機会にご期待くださいね。では!!

デンタルドック、なにそれ?

こんにちは!守谷市の古谷歯科医院 古谷 容です!

 

今回は、前々回「口腔健康、なにそれ?」の続きです。覚えてますか(笑)。

 

さてさて、話しの途中で飛び出して行った与太郎のことが気になっていた大家さんに、突然彼からのLineが入ったのは、あれから3日後のことでした。

 

「なんだい与太郎さんは、目上の者に対してLineとは失礼じゃないかね、ったく、最近の若いもんは、これだからね」

 

とかなんとか云いながら大家さんはまんざらでもない様子・・・。

 

「なになに?・・・この間のお話しの続きを聞きたいので、明晩、神田須田町の“ぼたん”でいかがでしょうか?・・・だと?何言ってんだろうねこの人は・・・」

・・・と、悪態をつきながらも大家さんは、iPhoneでスケジュールを確認するのでした。

 

「遅いじゃないですか、大家さん。何してたんですか?」

 

「何してたんですかじゃないですよ、こんなところまで呼び出して、どうしたって云うんですか?」

 

「いえね、大家さんと鳥すきでもつつきながら一杯やりたいと思いましてね。それに、この間の続きもお聞きしたいし・・・」

 

「お聞きしたい、と来たね」

 

「いじめないでくださいよ、大家さん、まっ一つ熱いところをどうぞ」

 

「はいはい、すみませんね」

 

「ところで、話の続きですが・・・」

 

「そうでしたね、“デンタルドック”から始めるってところでしたかね?」

 

「そうそう、そうですよ。ところでその“デジタル犬”ってのはなんです?機械仕掛けの犬のことですかい?AIBOってやつなら聞いたことありますよ」

 

「・・・(ため息)、デジタルじゃあありませんよ、デンタルですよ。歯のことを西洋じゃデンタルっていうんですよ」

 

「分かりましたよ、で、なんですそれは?」

 

「先生がおっしゃるにはね、困っているお人の治療を始めるにあたっては、お口の中を徹底的に調べるってことがとっても大事なんだそうですよ」

 

「へ〜、そうなんですか」

 

「だってそうでしょう!与太郎さんの職人仕事だってそうじゃありませんか」

 

「えっ??なんです?」

 

「家を建てる時には土地の具合を調べて、切り株を掘ったり根っこを払ったり、平にしたり盛り土したり、あーだこーだやって、図面引いて施主と相談して、それから始めるんでしょ?」

 

「そうですよ、それが何か?」

 

「歯の治療もおんなじだって、先生がおっしゃるんですよ」

 

「へ〜そうなんですか。今までは困って歯医者へ行った時は、いきなり治療でしたよ」

 

「そうそう、それがいけないんですよ」

 

「何でです?だって痛いんだからしょうがないじゃないですか!」

 

「それはいいんですよ。その後の問題なんですよ」

 

「・・・?」

 

「先生曰く、緊急の治療が終わってからが大事なんですって」

 

「なんでです?痛くなくなればそれでいいじゃないですか(ったく何のことやら)」

 

「実はこれからが大事なんですって・・・、先生がおっしゃるにはね、ここからがスタートなんだそうですよ。与太郎さんが言ってるのは、痛かったその歯のことですよね?」

 

「そうですよ、それがなにか?痛みが治まればそれでいいじゃないですか。何か問題ありますか?」

 

「じゃあ、ほかの歯はどうなんですか?」

 

「ほかの歯は痛くないので関係ないですよ、実際(何言ってんのかね)」

 

「そこなんですよ、良くないのは、いいですか与太郎さん!」

 

「なんです?」

 

「痛いのが痛くなくなればそれでいいんですか?」

 

「いいんじゃないんですか、それで」

 

「ダメダメ、ダメなんです、それじゃ(キッパリ)。いいですか、痛くなければそれでいいんですか?」

 

「たしかに・・・、痛いのがいっとき収まってもそのうちまた別の歯が痛くなったり、その内またその歯が具合悪くなったりで、一向に終わらないんです、たしかに・・・(そう言われりゃそうかも)」

 

「そこなんですよ、与太郎さん、いいですか、口を一つのものとして考えることが大事なんですよ、でもこれは先生の受け売りなんですけどね(笑)」

 

「んなことぁ分かってますよ、大家さん。それでなんです?」

 

「ですからね、“デンタルドック”をやって、お口のね、歯と云わず歯ぐきと云わず徹底的に調べるんですよ。それにね、これはもっと大事なんですが、噛み合わせね、これ大事ですよ。これもよ〜く調べるんですって」

 

「へ〜〜」

 

「隅から隅まで綺麗さっぱり調べて、その結果から、治療のための図面、この間言ったでしょ、将来の青写真を引くんですって」

 

「ほう、そうなんですか・・・(納得かも)」

 

「そうすれば、治療の目標ができてね、将来の健康な口が約束できるんですって」

 

「そりゃいいですね」

 

「“最適口腔健康”ってやつですよ、覚えてますか?」

 

「覚えてますよ、サイケデリックなケンコバさんでしょ?(笑)」

 

「そうですね、よく覚えてましたね」

 

「じゃあ、こう云うことですかい?あっしは先ず、先生のところで、“デンタルドック”とやらを受けることが手始めだってことですね?」

 

「そうみたいですね、それが一番の早道らしいですよ」

 

 

鳥すきを肴にたらふく飲んだ大家さんと与太郎は、ふら付きながら狭い階段をやっとの思いで降りたのでした。

 

 

「もっ、一軒行きましょうよ、大家さん!まだ五つにはなってないですよ」

 

「ったく与太郎さんは困ったもんですね。私は帰りますよ。もう歳ですからね、帰って寝ます。籠を頼みましたから、ちょっと待ってそれから帰りますよ(フロスもしなくちゃね)」

 

「え〜、まだ宵の口じゃありませんか、ったくこれだから・・・」

 

「年寄りはですか(笑)」

 

「いえいえ、そ~じゃありませんが・・・」

 

「お代を出してもらって、話しまで聞かせてもらって、これ以上のことはありませんね、与太郎さん(嫌味充分)」

 

「そうでしたそうでした、少し調子に乗りすぎました。今夜はご馳走さまでした。誘っておいて本当に申し訳ありませんでした、あっ間違えました、お誘いしておいてでした(汗)。早速明日にでも先生に電話して、“デンタルドック”とやらを受けたいと思います。ありがとうございました」

 

最後には極めて素直になった与太郎さんでした。しかし大家さんを見送ったあとの彼がまっすぐ家に帰ったかどうかは、定かではないようです(笑)。

 

おあとがよろしいようで!

 

この続きはまたまた後日、お楽しみに!!

 

解説

最近では、いわゆる“デンタルドック”なるものが巷で見聞されるようになってきました。しかしまがい物も多いようです(失礼)。

 

“デンタルドック”はそもそも、今から50年以上も前に、それまで米国で行われていた歯科における検査を、私の大師匠のパンキー先生が体系づけ、“Complete Examination(完全な検査)”として行っていました。そしてこれを更に発展させたのが私の師匠の川村泰雄です。彼はパンキー先生が提唱したこの検査をコンピュータで行えるようにしたソフト、“MMDD(マルチ・メディア・デンタル・ドック)”を開発しました。つまり、検査をする上で最も大切な“共同診査”をより簡単に行え、患者さんご自身が、お口についての理解を効率よく深めることができる、という画期的なソフトなのです。当院でもこのMMDDを用いて、お口の精密検査を行っています。

 

詳細については、当院HPの“デンタルドック”の項目を参照して下さい。あるいは、“古谷歯科医院 デンタルドック”で検索!!

 

現在お口のことでお困りのあなた、ご自分のお口が「将来どうなってしまうのだろう」と不安をお持ちのあなた、また「生涯自分の歯で生活したい、でもどうしたら良いのか分からない」と云った方々、いかがですか“デンタルドック”を受けてみませんか?

 

将来に対する不安がなくなりすっきりすること請け合いですよ。

 

 

 

次の日与太郎さんは早速先生に電話して、“デンタルドック”の予約をしたのでした。

 

つづく(笑)

今回は真面目(笑)

第一回トゥレット症候群治療推進学会に参加してきました。

 

今回は真面目です。

 

でも、今までが不真面目だったかと云うと、そんなことはないと自分では思っていますが・・・(笑)。

 

ゴールデンウイークに大阪で開催された、第一回トゥレット症候群治療推進学会に参加してきました。

 

「トゥレット症候群とは、チックで定義される症候群であり、発達障害に含まれます。他種類の運動チックと1種類以上の音声チックが一年以上にわたり続き、小児期に発症します。これらのチック症状は自分ではコントロールが難しいもので、本人が肉体的、精神的に苦しいばかりではなく、周囲の人々にも不快な感情を抱かせ、学校・職場・家庭での生活に支障が出ます。この抑えがたい動きや音声がトゥレット症候群の特徴です(NPO法人日本トゥレット協会)」

 

恥ずかしながら最近までこの事について、私自身まったく知りませんでした。きっかけはHPに貼り付けてあったUtubeを見てしまったことです。驚きました。まったくの門外漢の私に何ができるのだろう、しかし、知ってしまった以上何かをしなければいけないのでは、との思いでした。

 

内容は、薬物療法、行動療法等に加え、今回は従来まったく関与してこなかった歯科分野からのアプローチの紹介でした。

 

歯科用スプリントを応用し、症状の改善を図ろうと云う取り組みです。

 

これなら私にもできるのではないか、困っている人の力になれるのではないか・・・と思いました。

 

第一日目は患者さん対象のシンポジウム。二日目と三日目は歯科医師対象の技術セミナーでした。講師はAACP専門医、Maryland Center for Craniofacial TMJ and Dental Sleep DisorderのAnthony B. Sims先生。専門はTMJ, Craniofacial Disorders, Jaw painです。

 

内容はその殆どが、第5脳神経(三叉神経)の解剖と生理、その異常シグナルで生じる様々な障害。適切な画像診断の重要性、適切な病歴の聴取でした。

 

そして歯科用スプリントを用い、患者さんが劇的に変わっていく過程を示した、何症例にも及ぶビデオでの解説。

 

驚きました・・・。

 

三日目午後からの実習では、7人の患者さんに対し、Sims先生が実際にスプリントを調整し、症状が消えていく過程の見学、そして私たちもスプリント調整のお手伝いをさせて頂きました。

 

驚きました・・・。

 

 

 

あっという間の三日間。とても有意義で得るものが多かったセミナーでした。これからは知り合った仲間とチームを作って、少しづつ勉強しながら活動して行きたいと考えています。

長いことPankey先生の歯科臨床哲学を学んできて本当に良かったと、今心から思います。Sims先生もPankey先生についてご存知で、少しの間お話させて頂きました。

 

ゴールデンルール。プロフェッションの考え。目の前の人に対し、自分の持っている最善のことをすること。自分がしてもらいたいことを目の前の人にすること・・・。

 

このことを行動の規範として、生きたいと思っています。応援よろしくお願い致します。

http://www.pntts.net

第一回トゥレット症候群治療推進学会で検索して下さい。そして是非動画を見て下さい。

 

 

では!! 古谷歯科医院 古谷 容でした。

歯科的年齢、なにそれ?

こんにちは!古谷歯科医院 古谷 容です。

皆さん、“歯科的年齢”という言葉、ご存知ですか?「えっ、なにそれ、聞いたことないよ!」・・・聞こえてきますね(笑)。さてどんな意味なのでしょうか?大家さんと与太郎さんの話を聞いてみてくださいね。では!!

 

「おやおや与太郎さん、どうしたんですそんなに浮かない顔をして」

 

「いやね大家さん、2,3日前からどうも歯の調子が悪くなりましてね」

 

「それは大変ですね、それでどんな具合なんです」

 

「どんな具合って、あっちこっち抜けてたり穴があいてたりで、それでもって滲みたり痛かったりで、ここんとこおまんまが食えないんですよ」

 

「ほうおまんまが頂けないんじゃ、仕事にも触りますね」

 

「そうなんですよ、親方からはどんどん仕事が回って来るし、女房にはガミガミ言われるしで・・・」

 

「それじゃあ、立つ瀬がないですね」

 

「そうなんですよ、ところで大家さん、歯の方はいかがなんです?」

 

「私ですか?親知らずを入れて32本きれいにありますよ」

 

「えっ!!失礼ですけど大家さん、お幾つにおなりで?」

 

「そうですね、今年70歳になったところですか、与太郎さんはおいくつに?」

 

「あっしは28になりました、でもおかしいじゃないですか」

 

「なにがですか」

 

「だって大家さんは70で32本もの歯が綺麗にあって、あっしはまだ28なのにもうボロボロなんておかしいじゃないですかって、そう言ったんですよ!」

 

「なんです、急に?」

 

「だってうちの死んだ婆さんが昔言ってましたよ、年取ったら歯は抜けるんだって、歳だから仕方ないんだって」

 

「あ〜、そのことですか、実は私も昔はそう思っていたんですよ、実は。でもね、町内の古谷先生に色々教わったところ、どうも違うってことが分かったんですよ」

 

「なんですそれは?」

 

「いえね、年齢は二つあってね、暦の年齢ともう一つはね、え〜っとなんて云いましたかね・・・そうそう“歯科的年齢”ってものがあるらしいんですよ」

 

「なんです、その、“しかてき”ってのは、“ビフテキ”みて〜なもんですかい?」

 

「違いますよ、“歯科的年齢”って云うんです。口の中の健康年齢とでも云うんですかな」

 

「へ〜、そんなもんがあるんですかい」

 

「私も先生から聞いて初めて知ったんですけどね、これが口の健康を見ていくうえでとっても大切な物差しになるみたいなんですよ」

 

「ってことはなんですかい、あっしみて〜に歳は若いが歯はボロボロな奴がいるし、反対に大家さんみて〜に歳はとってるけど歯はピカピカなお人もいなさるってことですかい」

 

「そうなりますな、そしてね、その“歯科的年齢”の分類によると、私は“若人”で与太郎さん、あなたはおそらく“成人後期”ってところですかね」

「成人?後期?・・・」

 

「おいおい、そう気を落としなさんな」

 

「だってあっしはまだ若いのに、もうこの先ひで〜事になるんでしょ?」

 

「まあまあお待ちなさいな、これもな先生からお聞きしたことですがね、“歯科的年齢”にはね、私の“若人”と与太郎さんの“成人後期”の他に、“成人前期”と“老人”ってのがあるんだそうですよ」

 

「へ〜、じゃあ全部で四つに分けるんですかい、でもいくら分けたって、あっしがひで〜事になるってのには変わりないんでしょ?」

 

「そんなことはないでしょうよ、そうだ、ちょうど明日先生にお会いするので、与太郎さんのことよ〜く聞いてきますよ」

 

「よろしくお願いしますよ、大家さん、でもひで〜事になるんだろうな〜(涙)」

 

次の日大家さんは古谷先生のところで“メンテナンス”なるものを受けたのであった。なんでも三ヶ月ごとに歯や歯ぐき、噛み合わせなどの検診、そして上手にお手入れができているのかどうかのチェック、また歯のクリーニングなどをしてもらうのだそうだ。

 

あまりの気持ちよさにすっかり夢見心地になった大家さんは、メンテナンス終了後、与太郎さんのことはすっかり忘れ、ちょっとした用達に神田に出て、気が付くと淡路町の“まつや”で熱いのを一杯やっていたのでした。

 

そこへ、ドヤドヤと店に入ってきた4,5人の中に、与太郎の顔が・・・。

 

「あっ、大家さん!どうでした、あっしの歯のこと、先生、なんて言ってました?」

 

盃を持ってあんぐりと口を開けたまま、目が点になっている大家さんを見た与太郎さんは、

 

「なにか変だ」と察するのでした・・・・・。

 

本日はこの辺で、お後がよろしいようで。続きは後日のおたのしみ(笑)。

 

解説

歯科的年齢とは、私の“大師匠”のパンキー先生が考案した患者さんの分類法です。デンタルドックのデータから患者さんのお口の健康度を大まかに4つに分類します。

スライド012

 

今年70歳の大家さんは、一番左の“若人”そして28歳の与太郎さんは“成人後期”に当てはまります。

さて、皆さんはどこに当てはまりますか?興味ありますね(笑)。

 

はじめに

ある時、ブログを始めようと思いました。なにせ、最近流行りですし、芸能人でも素人でも恥も外聞もなく、自分のことを人様に披瀝しているようなご時世ですから、私のようなものが始めても、皆さんのご迷惑にはならないだろうと考えたわけです。とは言っても、生来の無精者の私が毎日更新どころか、月イチ更新も怪しいと思いますので、映画監督の森田芳光氏をパクりまして、表記タイトルと致しました次第です。

更新は極めて不定期、内容は“歯科”に関するものを中心に、先ずはしばらく落語調でお送りしたいと思います。楽しんで頂けたら幸いです。

それでは、“落語DE勉強“しちゃいましょう!